オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『囚われの美女』

La Belle captive, 88min

監督:アラン・ロブ=グリエ 出演:ガブリエル・ラズール、シリエル・クレール

★★

概要

気になる女が倒れてて、助けて交わったら消えてる話。

短評

未配信の『危険な戯れ』を飛ばしてアラン・ロブ=グリエ監督第七作。プライムビデオで観られるのは本作を含む六作品である。今は「もうこれ以上はいいや」感が強い。極稀にわけのわからない映画を観て「わけわからん」と言いたくなる時期が訪れるものの、基本的にこの手の映画は三十郎氏に合わないのである。

感想

ヨーロッパ横断特急』ほどは強調されていないものの、本作も透過したキャンパスや空洞の額縁を利用して、メタフィクションであることが示唆されている。もっともこれはタイトルの元ネタになっているルネ・マグリットの『囚われの美女』からの引用であるらしい。

これまでのようにフィクションであることを強調したというよりも、虚構と現実の境目の曖昧さを描いているように思う。映画の結末も夢なのか現実なのか判然としない展開となっている。ちょうど『キング・オブ・コメディ』のパプキンが妄想を本人にとっての現実にしてしまったような感覚である。

さて、注目の美女である。『エデン、その後』以降のロブ=グリエ作品は、半分くらいがおっぱい目的になっていた。ガブリエル・ラズールの裸体は大変に美しかった。問題があるとすれば、聖子ちゃんカット的な髪型が時代を感じさせることくらいである。他作品と異なり身体を絵の具で汚さないので、美しい裸体をそのまま堪能できる。これは大変にありがたいのだが、倒錯的な変態描写に期待すると肩透かしを食う。

一連のロブ=グリエ作品を観ると、自分が映画を観る時に、目に映るものをそのまま受け容れるのではなく、知識や論理のフィルターを通して理解していることを実感する。そのフィルターの貧弱さについては改めて言及するまでもない。

囚われの美女

囚われの美女

  • メディア: Prime Video