オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『エデン、その後』

L'Eden et après(Eden and After), 97min

監督:アラン・ロブ=グリエ 出演:カトリーヌ・ジュールダン、ピエール・ジメール

★★

概要

変なドラッグをキメた女子大生が変な体験をする話。

短評

カラーになったアラン・ロブ=グリエの監督第四作である。前作までは映画というメディアを利用した実験らしき分かりやすい意図が感じられたのに対し、本作は前衛芸術の舞台をそのまま見せられているような感覚だった。序盤の意味があるのかないのか分からない、いかにもアヴァンギャルド然とした言葉の羅列は辛いものがある。劇中の学生の演技という設定そのままのような内容である。

感想

これまでと同様にメタフィクションの構造は維持しつつも、最もストーリーらしいストーリーがなく、時に倒錯的だったり(目隠し、牢屋、生卵)、時に普通に交わるだけだったりの桃色要素が強い一作になっている。おっぱいがいっぱいである

ヨーロッパ横断特急』と『嘘をつく男』の二作品は、映画がフィクションであると明示することで観客の受ける印象を変化させるという共通点があったが、本作はその前提となる第一印象が定まらなかった。冒頭で言葉を羅列したのと同様にイメージを羅列しているだけで、どう受け取ったものか分からない。綺麗な女性の綺麗なおっぱいが素敵だとしか思えない。

本作に登場するおっぱいは、物語がフィクションであろうとノンフィクションであろうと素敵なままである。あからさまなシリコン偽乳でも出てくればフィクションおっぱいに対する印象も変化するだろうが、そうでないということは、豊胸手術を糾弾する映画ではないということだけが確かな事実として残る。

「これは一体何を見せられているのか……」と退屈していると、登場人物の一人が「この話が退屈な人には心がない」と第四の壁を超えて語り掛けてきたので、思わず苦笑いした。「なんと見透かされたものか」と驚いたが、考えみれば制作者が退屈であることを自覚しているか、あえて退屈に作っていなければ出てこない言葉である。

前作にもフランツという名前のキャラクターが登場したが、フランツ・カフカ的な不条理感が根底にあるのだろうか。フランツという名の人は他にもたくさんいるが、ベッケンバウアーは関係ないだろう。

黒髪の女性がボカシ要らずの剛毛だった。

エデン、その後

エデン、その後

  • メディア: Prime Video