オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『不滅の女』

L'Immortelle, 101min

監督:アラン・ロブ=グリエ 出演:フランソワーズ・ブリオン、ジャック・ドニオル=ヴァルクローズ

★★★

概要

イスタンブールで謎めいた女に出会う話。

短評

まるで白昼夢を見ていたかのように奇怪な映画である。プライムビデオにアラン・ロブ=グリエという監督の映画が一挙追加されていたので、とりあえずデビュー作から観てみることにした。「よく分からない」を通り越して「さっぱり分からない」系のアート映画であり、「果たして自分は何を見ていたのだろう……?」と大変に困惑する。ただ、サスペンスフルな展開で煽られる不安が面白かったり、ビシッと決まったショットが美しく、分からないなりに不思議と楽しめた。

あらすじ

フランス人の男がイスタンブールで謎めいた女に出会う。二人はモスクを訪れたり、ベリーダンスを見たりして逢瀬を重ねていくが、ある日、女が忽然と姿を消してしまう。

感想

「よく分からないけど」という枕詞がなければ何も書けないというのが本音である。イスタンブールの景色はとても美しいが、そこで繰り広げられるドラマは悪夢的迷宮である。

序盤は男と女が観光をして、中盤以降は男が姿を消した女を探す話になっている。スリラー的な筋書きだが、女は何者なのか、そもそも彼女は存在するのか、男は一体何をしているのかがどんどん分からなくなってきて、映画は一種のホラーと化す。

イスタンブールという異国が、異世界的である。サングラスの男だったり、現地人だったりが、常に主人公を“監視”しているような感覚があり、なんだか分からないが怖い。

“反復”の要素が多く、また、ショットの切り替わりで服が変化していたりと、時間や場所の感覚を狂わせるような演出が随所に見られる。現地人が静止した空間を主人公は何も気にすることなく歩いたり、通過した主人公を現地人が振り返って見ていたりするシーンは、不気味なのか不穏なのかシュールなのか分からない。どこまでが現実なのか、それとも全てが夢か妄想なのか。やはりさっぱり分からない。

一応他の作品も観てみるつもりだが、おそらく「分からない」を繰り返すことになるだろう。本稿だって自分で何を書いているのか分かっておらず、およそ感想としての体をなしていない。

不滅の女

不滅の女

  • メディア: Prime Video