オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『オキュラス/怨霊鏡』

Oculus, 103min

監督:マイク・フラナガン 出演:カレン・ギラン、ブレイトン・スウェイツ

★★★

概要

呪いの鏡。

短評

呪いのアイテムというシンプルな怨霊ホラー映画でありながら、現在と過去が錯綜し、更に現実と幻覚が入り乱れる素敵な大混乱で怖かった。監督のマイク・フラナガンは、『ジェラルドのゲーム』でもシンプルな設定を見せ方で工夫して面白くしていた印象がある。『ドクター・スリープ』の監督もこの人である。『サイレンス』も面白かった記憶があるし、もしかして期待してもよかったのかな。

VRヘッドセットでお馴染みのOculusは「目」という意味である。意味が分かってよかった。邦題の「怨霊鏡」はSEO対策で追加したのだろうか。

あらすじ

子供の頃に父親を射殺した過去を認め、精神病院を退院したティム(ブレイトン・スウェイツ)。彼を迎えに来た姉ケイリー(カレン・ギラン)が告げる「見つけたわよ」。彼女が何を見つけたのかと言うと、彼らの子供時代に家で惨劇を引き起こした鏡である。ケイリーは鏡の悪魔的な力を証明し、全てを葬り去ろうとしていた。ティムは精神病院で学んだ自己制御法を活かして現実的な説明で対処しようとするが、自分たちの見ているものと現実に起きたことが違うと判明し、否応なく“何か”に巻き込まれていく。

感想

ホラー映画で現実と幻覚が入り乱れると、「もうなんでもありだな」と興味を失ってしまうことが多い。折角怖がったのに「残念。これは幻覚でした~」を何度もやられると逆にイラつくものである。本作は現実と幻覚という要素に加えて過去と現在まで入り乱れるため、「もういいよ……」となる前に次の事件が起こり続けていた。スリルで恐怖をつくった形である。また、「鏡」という存在が「何かを見せるもの」であるため、幻覚が見えることに納得できる設定であることも良い。

鏡はただ鏡として存在するだけで、自ら動いて何かをするわけではない。心霊パワーだったり実体化悪魔として物理攻撃を加えてくることもない。ただただ人間が翻弄される。これが怖いのである。「何か起きた」→「何も起きていない」で油断させておいて、「これは幻覚だから何も起きていないんでしょ!」からの「見えてるものとは違うが何かが起きてる」である。リンゴと食べたと思ったら……のシーンなんて「ウギャーッ!!」である。

鏡は幻覚を見せることで持ち主を狂わせていく。ティムはこれを精神病として10年間治療してきたわけだが、裏を返せば鏡が無くても精神を病めば同じことがことが起こりうるのだろうか。これも怖い。

低く唸り続けるBGMが良かった。ホラー映画は音響が非常に重要である。子供の頃なんて、夜中に目を閉じれば聞こえてくる音の全てが怖かった。

モデル、TVドラマとキャリアを歩んできたカレン・ギランが、映画に本格進出を果たした一作である。180cmの高身長で魅せる抜群のスタイルは魅力的だが、前髪が外側にクネっと曲がったバブル期みたない髪型は妙だった。あれはオシャレなのだろうか。子供時代のケイリーにも見覚えがあると思ったら、演じているアナリース・バッソは同じくフラナガン作品の『ウィジャ ビギニング ~呪い襲い殺す~』に出演していた。「大きくなったらヘイリー・ベネットみたいな顔になりそうだな」と思ったが、なっていなかった。

オキュラス/怨霊鏡(字幕版)

オキュラス/怨霊鏡(字幕版)

  • 発売日: 2015/07/01
  • メディア: Prime Video