オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『6アンダーグラウンド』

6 Underground, 128min

監督:マイケル・ベイ 出演:ライアン・レイノルズメラニー・ロラン

★★★

概要

死人で構成された特殊部隊がクーデターを起こす話。

短評

SFやホラーのラインナップは充実しているNetflixだが、迫力の一点だけで勝負するアクション大作はこれまでなかったように思う。そこに現れたのが本作である。 「監督マイケル・ベイ」以外の言葉で本作を説明する必要はない。映画のジャンルがマイケル・ベイである。カーチェイス、銃撃戦、爆発、パルクール、流血、お色気、何でもありの全部入りである。ハチャメチャでメチャクチャである。それ以上でもそれ以下でもないが、単純に楽しかった。アクション大作というものは過剰なくらいがちょうどよい。

あらすじ

自らの死を偽装して“幽霊”となった特殊部隊。1:ビリオネア(ライアン・レイノルズ)率いるメンバーは、2:CIA捜査官(メラニー・ロラン)、3:ヒットマン(マヌエル・ガルシア=ルルフォ)、4:スカイウォーカー(ベン・ハーディ)、5:ドクター(アドリア・アルホナ)、6:ドライバー(デイヴ・フランコ)の六人。彼らは政府が野放しにしている世界の巨悪を倒すため、独自の活動を開始する。今回の敵は中央アジアのどこかの国の独裁者だ!

感想

オープニングからぶっ飛ばす。この世界では車は当然に宙を舞うし、真っ二つに割れる。そしてもちろん爆発する。やり過ぎとやり過ぎのド真ん中のやり過ぎがそこにはある。その舞台がなんとフィレンツェである。三十郎氏が行ったことのあるフィレンツェや香港といった都市を舞台に暴れ回るのはとても嬉しい。「どこまでがロケ?どれがセット?もしかして背景はCG?」と混乱するくらいに大暴れする。4(パルクール・マン)がドゥオモの屋根を滑り降りるシーンなんてよく許可が下りたものだと感心する。香港にマリーナベイ・サンズのような建物が見えた気がしたのだが、香港にも似たビルが建ったのか、それとも三十郎氏の勘違いか。

グロの方も気合が入っていて、閃光弾を咥えた男の顔が吹っ飛んだ残骸は強烈である。ニキビを潰そうとしたら膿ではなく銃弾が顔から飛び出したり、巨大磁石を利用してナイフがグサグサ突き刺さったりと、面白系グロ描写が多い。4が建設中のビルの支柱から支柱へと飛び移るパルクールはチビりそうになるし、とにかく見どころはたっぷりである。

六人構成の精鋭チームに一人も黒人がいないのは妙だと思ったら、白人が一人退場して7:黒人(コーリー・ホーキンズ)が加わった。ただ、このチームの構成は明らかにおかしい。7の役割はスナイパーであり、死んだ6はドライバーである。出番の多そうな運転手がいなくなってしまった。一方で、5のドクターは最初に銃弾を摘出する以外に医師としての仕事がない。それどころかほとんど活躍しない。彼女は美人だし医療班の必要性は理解するが、この映画には必要なかった。実は1もそんなに活躍しないし、チームのバランスは悪い。

この明らかなミスからも分かるように、本作はストーリーを重視していない。「物語や整合性なんて火薬と銃弾の前には些細な問題だ」という潔さが感じられる。この手の映画を続けて観ると確実に胸焼けするのだが、たまに観るとやっぱり楽しい。時々無性に食べたくなるジャンクフードと同じである。そしてジャンクフードを食べる時には、妙に健康に気を使うよりも出来るだけジャンクであることが望まれる。シナシナのポテトと油ギトギトのベーコンチーズバーガーが良い。トマトもレタスも無しでいい。コーラもゼロカロリーなんてありえない。そんな需要を満たしてくれる映画である。明日はハンバーガーを食べようかな。ジャンクフードを貪りながら、このジャンク映画を観ると素敵にジャンクだと思う。

映画の台詞が度々引用されるので、気付くと楽しい。マティーニの作り方を「Stirred, not Shaken. Stirred.」と強調しているが、ステアが通常のレシピなので指定する必要はないと思う。

愛しのメラニー・ロラン様は少々ほうれい線と目尻のシワが目立つようになっていた。映画スターを見ていると「この人は永遠に老けない怪物なのではないか」と思うこともあるが、無理なボトックス注射がない限り、これくらいが自然なのだろう。しかしながら、皺が増えても“美しい”ということに変わりはない。永遠の美も良いが変わりゆく美も良いものである。つまり、どうあろうとロラン様は美しいのである。美人ついでにアリアナ(Elena Rusconi)も綺麗だったのでメモしておこう。

標的は独裁者の他にもいるようだったので、続編が製作されるのだろうか。これ目当てでサービスに加入するような映画ではないが、あると嬉しいタイプの映画であることは間違いない。映画館で高いIMAX料金を払うと不満の方が強く出そうなので、ある意味Netflix向きなのだと思う。

6 Underground (Music From the Netflix Film)

6 Underground (Music From the Netflix Film)

  • 発売日: 2019/12/13
  • メディア: MP3 ダウンロード