オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『意表をつくアホらしい作戦』

A Futile and Stupid Gesture, 101min

監督:デヴィッド・ウェイン 出演:ドーナル・グリーソン、エミー・ロッサム

★★★

概要

アメリカのコメディを変えた男ダグラス・ケニーの半生。

短評

ウェット・ホット・アメリカン・サマー』のデヴィッド・ウェインによる伝記映画。三十郎氏は『ナショナル・ランプーン』という雑誌も、ケニーが関わった映画も知らないのだが、恐らくウェイン監督は『ウェット・ホット・アメリカン・サマー:それから10年後』のラストでクープがやったことを、この映画で実行したのではないだろうか。劇中に登場する名前もほとんどは分からないが、ビル・マーレイアイヴァン・ライトマンなどの知っている名前もあり、一時代を築いた人物なのだということが分かる。

あらすじ

ハーバードへ進学した中西部の田舎者ダグラス・ケニー(ウィル・フォーテ)は、四年間遊び呆けて就職も進学も考えず、卒業間近になっても進路が決まっていなかった。ケニーは「それならば!」と学生誌『ハーバード・ランプーン』の全国展開を画策する。相棒のヘンリー・ビアード(ドーナル・グリーソン。映画が終わるまで気付かなかった)を誘って『ナショナル・ランプーン』を創刊し、驚異的かつ破滅的な成功を収めていく。

感想

全体の構成としては、ありきたりな成功と破滅の物語である。ハッチャケたインテリが全方向に喧嘩を売る風刺で成功を収め、成功に伴って拡大する事業規模に対応し切れずにドラッグに走る。

前半の成功パートは愉快かつテンポよく描かれており、大量の訴訟や抗議に反して売上が伸びていく様子は面白い。本人も関係者も自由過ぎて「これはどこまでが本当の話なのだろう」と疑問を抱くが、この辺りは『それから10年後』的に魅力的に見せているのだと思う。妻に不倫がバレてから別れを突き付けられるまでの一幕を、誌内のコミックになぞらえる演出が良かった。

後半の転落パートが始まると空気が重くなる。映画『アニマル・ハウス』の大成功があっても、そこには大量のコカインがあり、その後の悲しい展開を予感させる。彼がどうして破天荒な人生を歩んだのかという内面がフォーカスされ、強烈なモチベーションや反骨心には、それなりの裏があることが分かる。そしてショッキングなことに、彼は死ぬ。彼のことを知らなかった三十郎氏にとっては切ない結末であった。

劇中で何度もニクソンをバカにする描写があることからも、彼の風刺が大衆に受けた背景にはベトナム戦争があったのだろう。少し違った角度からアメリカの歴史を覗くことができた。

劇中に登場する「おっぱい付きのカレッジ・ムービー」の邦題は『アニマル・ハウス』である。『レイダース』のマリオン役が有名なカレン・アレンのデビュー作なのだとか。彼女もおっぱいを出しているのだろうか。他にもドナルド・サザーランドが出演している。アイヴァン・ライトマンが監督なのかと思ったが、彼はプロデューサーらしい。

A Futile and Stupid Gesture: How Doug Kenney and National Lampoon Changed Comedy Forever (English Edition)

A Futile and Stupid Gesture: How Doug Kenney and National Lampoon Changed Comedy Forever (English Edition)

  • 作者:Josh Karp
  • 出版社/メーカー: Chicago Review Press
  • 発売日: 2006/09/01
  • メディア: Kindle
 
アニマル・ハウス (字幕版)

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  • 発売日: 2014/03/15
  • メディア: Prime Video