オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『クリープ 2』

Creep 2, 80min

監督:パトリック・ブライス 出演:マーク・デュプラス、デジリー・アカヴァン

★★★

概要

シリアル・キラーがスランプに陥る話。

短評

怖さという点では前作に劣るものの、種明かしされた状態を上手く利用した話の構造が面白かった。マーク・デュプラスは期待通りに気持ち悪く、今回の標的はそれに負けない個性の持ち主というのも素敵である。前作はアメリカでの劇場公開後にNetflixが海外に配信したようだが、本作は製作の段階からNetflixが関与しているようである。

あらすじ

前作ではジョセフだったマーク・デュプラスが、本作ではアーロンと名乗っている。その後に殺したデイヴを名乗っていないことからも、アーロン殺しは彼にとって会心の出来だったと思われる。会心の一作の後にはその反動が来るもので、彼はスランプに陥ってしまう。「これまでは信仰だったのに今ではただの仕事になってしまった」と語る彼のもとに現れた新たな標的は、売れない女性Youtuberのサラである。アーロンはサラに語る「俺はシリアル・キラーだ。これまでに39人を殺した」。

感想

今回の観客は彼がシリアル・キラーであることを知っている。そこで、ある意味フェアな形で、サラにもシリアル・キラーであると告知される。しかし、いきなり「俺はシリアル・キラーだ」と言われたところで誰が信じるだろう。当然誰も信じない。ヤバい奴であるとは認識するが、“美味しいネタ”に抗えないのがYoutuberという生き物なのである。

シリアル・キラーであるという最大の秘密を披露したからには、アーロンは最初から“気持ち悪い”を超えた“危ない”男である。それでもサラは動じない。アーロンが「良いドキュメンタリーを撮るために男と女の心の壁を取り払いたい」とモザイク無しのフルチンを披露すれば、「今度は私の番ね」とサラが脱ぐ(ワキ毛付き)。大した度胸である。「ワッ!」とやっても驚いてくれないし、徐々にアーロンの調子が乱れていく。前作は恐怖なのか滑稽なのか分からないのが絶妙に気持ち悪かったが、本作はブラック・コメディの色が強い。

倦怠期に陥ってしまった狂人が、新たなる狂人に出会うことで再び情熱を取り戻す。最終的には愛の物語である。彼らは運命の黒い糸で結ばれているのだ。アーロンなりの愛なのだ。三十郎氏としては「そんな汚いもん、いるか!」と言いたくなる。なお、コッポラには是非とももう一花咲かせてほしいと思う。

どう見ても死んだはずのアーロンだが、ラストシーンの撮影者がいるということは生きているのだろう。シリアル・キラーは人間レベルの生命力を超越していなければ務まらない。

三部作の予定らしいのだが、最高傑作→スランプと来て、次は何をテーマにするのだろう。気持ち悪いおっさんから目が離せない。

Creep 2 / [DVD] [Import]

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