オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『TAG タグ』

Tag, 100min

監督:ジェフ・トムシック 出演:エド・ヘルムズ、ジェレミー・レナー

★★★

概要

大人が本気で鬼ごっこする話。

短評

大人が本気で取り組めば、鬼ごっこをするだけで立派なコメディ映画になる。しかし、大人の本気は生半可な覚悟ではいけない。仕事そっちのけで、アクションスターさながらの逃亡劇を演じ、倫理の殻を破って、栄光を掴まねばならぬ。「老いて遊びをやめるに非ず。やめるから老いる」は素敵な言葉である。こいつら、本当に阿呆だなあ。三十郎氏も、こいつらみたいな良い意味の阿呆でいたいなあ。

あらすじ

三十年に渡って毎年五月に鬼ごっこを続けている阿呆集団がいた。彼らは、童貞卒業の瞬間も、妻の出産に立ち会う時も、父の葬式中も、常に鬼ごっこを続けてきた。獣医のホーギー(エド・ヘルムズ)、CEOのボブ(ジョン・ハム)、大麻中毒の無職チリ、セラピーに通うセーブルの四人には、「今年こそは!」と必勝を期して臨む相手がいる。ジェリー(ジェレミー・レナー)である。ジェリーは三十年間、一度も鬼になっていない無敵の逃亡者なのである。

感想

無敵の男ジェリーは強い。RDJ版ホームズの如く状況を適切に把握し、常に相手の一歩先を行く。窮地に陥ろうと持ち前の護身術で対処する。そして、無料ドーナツで戦える男である。このジェリーがなかなか悪どくて、「そこまでするか!」と思わせられるような行動もあるのだが、それが大人の本気なのである。

劇中の人物たちがしていることがしょうもないように、本作がやっていることもしょうもない。鬼ごっこをしているだけである。しかし、それが楽しいのである。しょうもないことに本気で取り組むのは子供の特権のようにも思えるが、大人がしたってええじゃないか。多様性である。

ところどころ間延びしている箇所もあるが、友情について微笑ましく考えさせられるようなラストで上手くまとまっていたと思う。

本作は実話に着想を得ており、エンドロールの前に、実際に鬼ごっこをしているおっさんたちのホームビデオ映像が流れる。彼らがタッチされた時の表情が「やられちゃった、えへへ」といった具合にとても楽しそうで、「童心を忘れないっていいなぁ」としみじみ思うのである。三十郎氏も、映画でおっぱいを見て喜ぶという思春期的童貞精神は忘れないようにしているが、彼らのような純粋さはないので羨ましい。

三十郎氏が最後に鬼ごっこをしたのはいつだろうか……。思い出せないくらい昔の話である。高校生の時にはしていないだろう。中学生の時にはギリギリしたことも……ないかな。となると、小学生時代にまで遡らねばならない。ボールを使うことを覚えてしまうと、鬼ごっこという原始的な遊びをやめてしまうらしい。それでも鬼ごっこにこだわった阿呆集団は凄い。

TAG タグ(字幕版)

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