オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ユピテルとイオ 地球上最後の少女』

IO, 96min

監督:ジョナサン・ヘルパート 出演:マーガレット・クアリー、アンソニー・マッキー

★★

概要

地球の大気が汚染されて住めなくなる話。

短評

NetflixオリジナルのSF映画。と言っても、SF的な描写は少ない。終末世界の廃墟を舞台にした素敵なシーンも少しだけで、大半は安全地帯での一人暮らしと二人暮らしである。ほぼ間違いなくギリシア神話の再構築がモチーフなのだろうが、三十郎氏は神話を知らないので楽しめないし、それを抜きにして観ると更に楽しくないので、元ネタについて知りたいという気にもなれない。

あらすじ

“大気成分の予期せぬ変化”により人類が住めなくなってしまった地球。人類の大半は“エクソダス計画”により地球外のコロニーに脱出したが、サム(マーガレット・クアリー)は一人地球に残って父の研究を続けていた。そこに気球に乗った男(アンソニー・マッキー)が現れる。

感想

冒頭で描かれる荒廃した世界は三十郎氏好みである。いかにもな灰色世界ではあるが、この種のサバイバルものが好きであれば、この光景を眺めているだけで楽しい。「おっ、これは期待できそうだな」と思ったら、汚染区域での作業を完了して脱出し、サムが住んでいる高地はクリーンな安全地帯ということになっている。安全地帯がたくさん残っているというのはいただけない。汚染区域の中に居住区域が残されている設定なら、「何かあれば一発アウト」という緊張感に加えて、死と隣り合わせの生活が描けたのに。しかし、廃墟のセットの方が金が掛かるだろうし、最後に「おっ、住めるところあるじゃん」という展開にもできなくなる。

汚染された世界自体を描くことは二の次で、神話的な話が延々と続く。これが三十郎氏にとって魅力的でないことは上述した通りである。雑にまとめてしまえば、“男と女が揃ったら、やることは一つ”、それだけである。それでも、もう少し描き方に工夫ができるだろうと思うのだが、全身を防護スーツで包んでいるのに素手で汚染区域の水に触れていたりと、SFに面での描写に興味がないと思わせられるシーンがあって、二重に苦しい。

プッシーキャット役ではワキ毛美女を演じていたマーガレット・クアリーが、ほとんど誰にも会わないこの世界ではワキ毛を処理している。誰かがやって来ることを想定して準備していたのだろうか。それともマイカが来てから処理したのだろうか。汚染前に永久脱毛していた可能性もあるか。