オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『アースクエイク・バード』

Earthquake Bird, 106min

監督:ウォッシュ・ウェストモアランド 出演:アリシア・ヴィキャンデル、ライリー・キーオ

★★★

概要

日本男と白人美女二人の三角関係。

短評

日本を舞台にしたNetflixオリジナル映画である。ジャレッド・レトが出ていた『アウトサイダー』以来かな?アリシア・ヴィキャンデルが日本語を話している!振り袖を着ている!上品に蕎麦を啜っている!混浴をしている!撮影で彼女に会えた日本人関係者が羨ましい。濡れ場を演じた小林直己はもっと羨ましい。普通の人なら、人生八回分くらいの“生きてて良かった”である。内容自体は単なる痴情のもつれで面白くともなんともないが、アリシアが日本を満喫するイメージビデオだと思えば楽しめる。

あらすじ

1989年。東京で失踪したアメリカ人女性リリー・ブリッジス(ライリー・キーオ)の行方を巡って、翻訳者として働くルーシー・フライ(アリシア・ヴィキャンデル)の記憶を辿っていくという内容。幻覚要素があって途中で少し混乱するが、それは特に関係なく三角関係が拗れただけの話である。アリシア・ヴィキャンデルとライリー・キーオの二人を相手にできる日本人男性って凄いですよね。羨ましいけれど、芸術家ぶって意味ありげな言葉を並べる男のほぼ100%は芸術家ではないし、ろくな男ではない。フィルム時代にオリンパスというは確かにシブいが、そう見られたくて使っている感がある。嫉妬である。負け惜しみである。だからどうした。

感想

東京の通勤電車にアリシア・ヴィキャンデルが乗っている。誰も失踪しなくても既にこれだけで事件である。日本人の2/3くらいしかない顔の大きさにクリクリのお目々。お人形さんである。超カワイイ。現代日本に紛れ込んでも際立つ美しさなのに、本作の舞台はバブル時代。つまり、あの太くて濃い眉と強靭なショルダーパッドの妙ちくりんなファッションが幅を利かせていた時代である。そんな時代に清楚で可憐なアリシアを放り込むとどうなるか。人種的敗北感を覚える。

ルーシーは富士山を見にハイキングに行ったり、佐渡ヶ島に行ったりと日本を満喫している。それもヘンテコジャパンではない普通の日本である(日本人はあの程度の地震でロッカーに逃げ込むようなことはないと思うが。ルーシーも慣れているだろうし。密室でイチャつきたかっただけか)。アリシアも楽しんでくれただろうか。彼女はアジの干物の目を食べていたが、三十郎氏は食べない。日本人的はどちらが多数派なのだろう。彼女は長台詞をワンカットでこなすなど、日本語をとても頑張っていた。話はつまらなかったけれど、三十郎氏は“あなたのいる日本”を見られただけで楽しかったです。ありがとう、アリシア

地味で大人しいルーシーと派手で奔放なリリーという対比があり、それが蕎麦の食べ方に出ている演出が面白かった。これは単に日本への適応度の問題だけなのかもしれないが、一度に大量に箸で掴み、蕎麦を途中で噛み切るリリーに対して、ルーシーは少量を取って啜っている。食事の所作が人格を表している。しかしこれが海外に行けば、リリーが普通でルーシーが粗野に見えるのだから、実は人格の表出ではなく見る側の問題である。文化というものは興味深い。クリップで鍵を開けるという日本では泥棒かスパイかのテクニックも、欧米では婦女子の嗜みとして習うのだろう。

The Earthquake Bird (English Edition)

The Earthquake Bird (English Edition)

 
アースクエイク・バード (ハヤカワ・ノヴェルズ)

アースクエイク・バード (ハヤカワ・ノヴェルズ)