オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『セレニティー:平穏の海』

Serenity, 106min

監督:スティーヴン・ナイト 出演:マシュー・マコノヒーアン・ハサウェイ

★★

概要

魚を釣っているのかどうかよく分からなくなる話。

短評

え……結局、何がしたかったの……?エイハブ船長とサンチャゴ翁をごちゃまぜにしたような男が巨大マグロを釣る話なのか、いかにもファム・ファタールなブロンド女が「夫を殺して」と頼むスリラーなのか、天才コンピューター少年の物語なのか。何をしているのかは分かるけれど、何がしたいのかはさっぱり分からなかった。いや、本当に……、これは何の話だったの?三十郎氏は大変に困惑しているが、これがサメ映画であったと考えれば、話の粗などどうでもよくなる。

あらすじ

プリマス島で、熟女(ダイアン・レイン)を抱いて稼ぎつつ、取り憑かれたように巨大マグロを追いかけている漁師のベイカー(マシュー・マコノヒー)。ある日、過去の女カレン(アン・ハサウェイ)が現れて、「お金を払うからDV夫を殺して」と持ちかける。

感想

「この世界はゲームでした」というオチ自体に驚きは無かった。パトリック少年はいつも何かをプログラミングしていて、義父(ジェイソン・クラーク)曰く「魚釣りの映像を眺めている」のだとか。これにベイカーの世界と繋がっているという要素まであれば、その時点で答え合わせのようなものだろう。釣具屋さん(銀行員かと思った)の奇妙な行動や「スケジュールから20秒ズレてる」といった台詞も、伏線というよりは答えの補強である。

果たしてこのゲームを通じてパトリック少年とスティーヴン・ナイト監督は何がしたかったのだろう。ゲーム内でDV義父を実父に殺させて、自分も義父を殺すことに何の意味があるのか。ゲーム内の行動なんてプログラム次第で好きにできるのだから、さっさと殺させたらいいのに。それにマグロは何だったのか。幼い頃に釣りに行って坊主だったからと怒った父に、釣れない気持ちを理解させたかったとでも言うのか。残念ながら父は死んでいる。理解してくれたとしても、それは本当の父ではなく、自分で組んだプログラムである。再会した相手もプログラムである。全てが自作自演である。

アン・ハサウェイのブロンドは似合っていないように思う。少年が典型的ファム・ファタールのデザインをそのまま流用しただけなのかと思ったが、現実世界での写真も同じ髪型だったか。彼女はクール・ビューティーという感じではないのに、黒髪やブルネットが似合う。

DV夫が妻の体を検分するシーンが変態チックで素敵だった。しかし、おっぱいは見えない。

アメリカではNetflixオリジナル映画ではなく劇場公開作品だったらしく、パッケージ版が販売されている。マコノヒーの尻をいつまでも見ていたいという人以外は買う必要はないと思う。もっともマコノヒーの身体も往時に比べると締りに欠ける。

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