オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『エクスティンクション 地球奪還』

Extinction, 95min

監督:ベン・ヤング 出演:マイケル・ペーニャ、リジーキャプラン

★★

概要

火星人が地球を侵略する話。

短評

NetflixのSFスリラー。評判が悪いことは知っていたが、自分の目で確かめないことには文句を言う権利もない。今回、晴れて批判する権利を手に入れた。近年の出来が良いNetflixオリジナル映画を観ていると劇場用映画が駆逐されてしまいそうで不安になるが、こういうハズレを観ると「まだまだだな」と安心できる。大手ユニバーサルが配給権を手放したのには相応の理由がある。

あらすじ

主人公ピーター(マイケル・ペーニャ)は悪夢に悩まされている。悪夢は現実となる。

感想

宇宙人による侵略ものと見せかけて……という話である。「〇〇と見せかけて△△でした!」と種明かしされた時点で映画が終わらないのには好感を持ったが、そこから先に一捻りあるわけでもなく、なし崩し的に映画が終わる。種明かしの時点で終わっていてもよい程度の内容でガッカリである。ピーターの悪夢の正体も、地球を侵略するエイリアンが人型な理由もちゃんと辻褄の合う形で説明されるのだが、その続きが何もない。これはNetflixオリジナルにありがちな「広げた風呂敷を畳む気がない」タイプである。

人工知能の自我の目覚めと同時に描かれている裏テーマは移民問題だろう。本作の人造人間たちはスカイネットのように自ら征服を企てたのではなく、人間による攻撃に反撃した結果として地球を手に入れている。人間が攻撃に移る過程には機械への排斥運動があり、主人公役が似合わない名脇役マイケル・ペーニャの起用も、移民問題に重ねて考えることができる。将来AIとロボットが人間の役割を奪うとなったら、移民と同様の排斥感情を引き起こすのだろうか。

ラストシーンの鉄道が通過した橋が水没していくCGがあまりに安っぽく、仕上げ前の未完成品を見せられている感じだった(それ以外のシーンはちゃんと作っているのに)。これは三十郎氏の想像だが、実際に制作の途中で予算を打ち切られてNetflixも追加の予算は使わなかったのではないか。実の親に見捨てられ、里親にも邪険にされる。可哀想な子である。

Netflixオリジナル作品は直訳型のマシな邦題をつけられていることが多い印象だが、本作はタイトルで盛大にネタバレしている。これは酷い。