オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ゲーム・ナイト』

Game Night, 100min

監督:ジョン・フランシス・デイリー、ジョナサン・ゴールドスタイン 出演:ジェイソン・ベイトマンレイチェル・マクアダムス

★★★

概要

ゲームのロールプレイだと思ったら本物の誘拐犯が現れる話。

短評

デヴィッド・フィンチャーの『ゲーム』の逆を突いたコメディ映画といったところだろうか。「リアルだと思ったらゲームだった」ではなく「ゲームだと思ったらリアルだった」である。レイチェル・マクアダムスがとにかくキュートで仕方がないのだが、ジェシー・プレモンスの怪演が全てを持っていくキモさである。

あらすじ

週末の夜に友人たちと集まり、“ゲーム・ナイト”に興じるアニー(レイチェル・マクアダムス)とマックス(ジェイソン・ベイトマン)のデイヴィス夫妻。ある週末、マックスの兄ブルックスカイル・チャンドラー)が、自身の豪邸での特別なゲームを提案する。それは「1時間以内に誰かが誘拐されるから発見する」という内容のミステリー・ゲーム。ドアを蹴破って現れたリアルな誘拐犯は、俳優ではなく本物である。

感想

三十郎氏はパーリーピーポーではないので、映画に出てくるアメリカ人が皆パーティーに異様に拘り、パーティーばかりしているのを理解できないが、本作のようなこぢんまりとした集まりは楽しそうで羨ましかった。様々な形でヒントを出して映画のタイトルや俳優を当てるゲームはいい線いけると思う。戦力になれるはずなので、レイチェル・マクアダムスに誘ってほしい。

もっとも本当に羨ましいのはゲーム・ナイトそのものよりもレイチェル・マクアダムスのような素敵なパートナーがいることである。彼女は、『パルプ・フィクション』のハニー・バニーの台詞を暗唱してみせる素敵な映画オタクであり、マックスとの出会いもクイズ・ゲームという素敵な意気投合の仕方である。ちょっぴり不器用で、夫を撃ったり、腕を切り過ぎちゃうけれど、理想のパートナーに対する願望が満載である。

いつもの三十郎氏ならば、このままレイチェル・マクアダムスの魅力と自身の願望だけを気持ち悪く書き続けているところである。しかしながら、本作には三十郎氏よりも気持ち悪い男が登場する。こいつのことを書かずにはいられない。デイヴィス夫妻の隣人ゲイリー(ジェシー・プレモンス)である。妻に逃げられた彼はデイヴィス家のゲーム・ナイトに招かれるのを楽しみにしているのだが、気持ち悪いので除け者にされている。

このキモい男との間に一悶着あるのかと思ったら、彼はキモいだけの男で、と思ったらやっぱりキモいを超えるキモさ。ズルい。このキモさは反則である。凶器である。偽デンゼル・ワシントンのように他にも笑えるネタはあるが、ゲイリーの面白さは圧倒的である。話し方もキモいし、行動もキモい、それでも実は良い奴なのかと思ったら、やっぱりキモい。最後までキモい。

ストーリーも人間関係も二転三転してテンポが良く、会話も小ネタが効いている。卵を巡って追いかけっ子するワンカットのシーンは二階を利用して3D構造にするなど、笑いだけでなくダイナミックな演出にも工夫が見られる良作だった。あ~、どこかでアニーみたいな女性と意気投合できないかなぁ……。

ゲーム・ナイト(字幕版)

ゲーム・ナイト(字幕版)