オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『マーダー・ミステリー』

Murder Mystery, 97min

監督:カイル・ニューアチェック 出演:アダム・サンドラージェニファー・アニストン

★★★

概要

結婚15年目のハネムーンでヨーロッパに行った夫婦が殺人事件に巻き込まれる話。

短評

Netflixオリジナルのコメディ映画。タイトルの通りに殺人事件を扱うミステリー映画ではあるが、頭を働かせながら観る必要は全くない。探偵役は刑事の昇進試験に三度落ちた巡査とミステリー小説好きの美容師である。これはちょっと名探偵とは言いづらい。彼らが名推理を見せずとも、怪しい奴から順番に死んでいくので、事件は自然と解決するのである。

あらすじ

ニック(アダム・サンドラー)とオードリー(ジェニファー・アニストン)のスピッツ夫妻。結婚以来延ばし延ばしにしてきたハネムーンを15年越しに実現させる。オードリーが飛行機で子爵チャールズ(ルーク・エヴァンス)と仲良くなり、夫妻は豪華なクルーズ・パーティーへ招待される。船に現れたチャールズの叔父マルコム(テレンス・スタンプ)が、孫ほど若い妻スージー忽那汐里)との結婚を発表し、「妻以外の人間には遺産をやらん!」と宣言すると、会場の電気が消え、マルコムは刺殺される。他に会場にいたのは、マルコムの一人息子トビー、ナミビア軍の大佐、大佐のボディガード、女優のグレース(ジェマ・アータートン)、レースドライバーのファン・カルロス、そしてマハラジャのヴィクである。

感想

言ってしまえば下らない映画なのだが、それはおおよそ三十郎氏が期待していた内容でもある。ただ、アダム・サンドラーがダミ声で叫びながら突っ込んでいくようなバカなシーンはないので、彼ののノリが苦手という人も入りやすいのではないかと思うが、苦手な人はそもそも観ようなんて思わないか。

どうしてそこにいるのか分からないマハラジャという設定自体が素敵なのだが、彼のキャラクターは素敵に酷い。ラッパー崩れみたいな喋り方をする彼は、情事の際に盛り上がり過ぎて、パンツを下ろす前に達してしまう。カルロス2世はこういうことだったのか。これでは確かに世継ぎはつくれない。マハラジャ早漏も近親交配の繰り返しが引き起こした悲劇なのだろう。

犯人が判明して「おぉーっ!」っと納得するようなことはないが、ミステリー自体は手堅く作ってある印象。意味深過ぎる描写がそのまま伏線になっているので、「ん?そんなシーンあったっけ?」と見直す必要がないのも、三十郎氏のような阿呆には嬉しいところである。頭を空っぽにして一通り笑うと楽しいが、もう一度観たくなるような映画ではない。

映画のクライマックスにカーチェイスがあるのだが、この種のコメディ映画で、一昔前のアクション映画を上回るクオリティの映像が見られる辺りに時代の流れを感じる。モータースポーツ全般に共通するが、運転手の技術以上に車体の性能が重要である。

忽那汐里はすっかりハリウッドに馴染んだ感がある(日本時代は「ガッキーよりも可愛くない」と叩かれていたポッキーのCMしか知らないけれど)。調べてみるとオーストラリア出身なのですね。通りで英語がお上手。