オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ターミネーター3』

Terminator 3: Rise of the Machines, 108min

監督:ジョナサン・モストウ 出演:アーノルド・シュワルツェネッガークリスタナ・ローケン

★★★

概要

セクシーな女性型ターミネーターがやって来る話。

短評

悩んだ末に「新作はレンタル待ちでいいや」との結論に達したので、それまでは本作が三十郎氏の中では正当な続編である。本作は世間的に大変に評判が悪く、嫌われているという印象ばかりがあるが、三十郎氏は憎からず思っている。殺戮兵器としてよりも別の用途でお相手願いたいと思わせる女ターミネーターT-Xは素敵だし、何よりカーチェイスが良い。あの迫力だけで元は取れた感がある。

あらすじ

人類の英雄になるはずが、日雇い肉体労働とホームレス生活に甘んじているジョン・コナー(ニック・スタール)。審判の日が回避されたのは良かったが、ジョンからしてみれば「こんなはずじゃなかった」といったところだろう。そこに現れる二体のターミネーター。新型T-X(クリスタナ・ローケン)と旧型T-850(アーノルド・シュワルツェネッガー)である。T-850はジョンに告げる「審判の日は延期されただけで回避不可能だぞ」

感想

言われてみれば、最初に送り込まれたターミネーターだって誰かが開発したから存在するのである。開発の手掛かりとなる彼の部品が燃え尽きたと言っても、元々はそれ無しに開発されている。開発が遅れたり、多少の差異が生じるだけで、行き着くところは同じという展開には納得できる。しかもスカイネット自体はターミネーターという物質ではなくソフトウェアである。ネット上に情報が分散しているなら原理的に破壊しようがない(できるなら、それはアクション映画ではなく万能ハッカーが出てくるつまらない映画になる)。だから、前作の感動的なラストシーンが台無しという理由だけで本作を嫌いになることはできない。

最も好きなのはクレーン車を使用したカーチェイスのシークエンス。圧倒的な迫力である。カーチェイスの迫力は、別にターミネーターがいなくても成立するという弱点はあるが、細かいことを気にするのはやめておこう。この最大の見せ場が序盤にあって、後は尻すぼみというのも気にしない。良いシーンがある。その事実を評価したい。クレーンをマンホールに引っ掛けて浮き上がらせるアイディアは、『ダークナイト』を思い出した。クリストファー・ノーランなら「このカットを実写で撮りたい」なんて言い出しそうである。案外、本作に触発されて実現したシーンなのかもしれない。

キャラクターは弱い。サラとカイルの関係を模してみるためだけに登場したようなケイト(クレア・デインズ)なんて、いてもいなくても変わらないような存在感だったし、女ターミネーターT-Xも怖いというよりも美人で素敵なのが上回る(どうせ殺すなら巨乳化して警察官を懐柔する必要はなかったと思う。ただ、あのシーンは好きである)。T-850は明らかにジョークを理解している風だったが、前作でジョンがT-800に教えたジョークのセンスという情報は溶鉱炉に消えたはずなので、プログラムをアップデートしたにしても疑問が残る。

ラストで事実を理解したジョン・コナーの切り替えが早い。昔は「なんだこいつ……」と引いたものだが、底辺暮らしから人類の希望となるリーダーへの道が開けたと考えればポジティブになるのも当然か。異世界転生ものみたいな話である。しかも、シェルターで美女と二人きり。彼の頭の中が「T-850に言われた通りに子供を作らなくちゃ」と煩悩に支配されていても不思議ではない。