オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ランボー3 怒りのアフガン』

Rambo III, 101min

監督:ピーター・マクドナルド 出演:シルヴェスター・スタローンカートウッド・スミス

他:ラジー賞最低主演男優賞

★★★

概要

ランボーアフガニスタンでトラウトマン大佐を救出する話。

短評

ベトナム帰還兵が祖国アメリカに対して牙を剥く映画が、ソ連を相手に戦う国策映画へと姿を変え、更に本作を捧げた勇敢なるアフガン民族が後にアメリカに対して牙を剥くという、メタ要素が不謹慎コメディのようになっているシリーズ三作目。ハチャメチャである。

あらすじ

タイの寺院で生活するランボーシルヴェスター・スタローン)をトラウトマン大佐が訪ねてくる。彼はアフガンでの任務を依頼するが、ランボーはこれを拒否。仕方がないと自ら乗り込んだ大佐はソ連兵に捕獲され、それを聞いたランボーが単身アフガンに乗り込む。今度の舞台は山岳地帯だ。

感想

9.11後の世界にすっかり馴染んでしまった三十郎氏としては、ランボーがアフガン人と共に戦う姿になんとなく違和感を覚えるが、そういう時代だったのである。アフガニスタンの人々は、いつも超大国の都合に翻弄されていて気の毒だな。彼らの境遇の方がランボーよりもアメリカン・ニューシネマ的である。

本作では一分に一人以上のペースで人が死ぬそうである(101分で108人。よく数えたな)。同胞のアメリカ人は殺したくなかったらしいが、ベトナム人はいくら殺して構わないし、ソ連兵は積極的に殺すべきということらしい。前作では申し訳程度にアメリカ(のCIA)批判も交えていたが、本作では完全に関係ない。多種多様な銃をガンガン撃ちまくって敵兵を殲滅し、前作で好評だった弓も登場する。当然爆発ギミックつきである。弓を組み立てるシーンがあるのも嬉しいところ。

本作のクライマックスもランボーは正装の上半身裸である。彼と大佐が、戦車や攻撃ヘリを含む大量のソ連兵に二人だけで対抗するのは流石に無理だろう……という時に駆けつける騎馬隊が格好いい。戦車を乗っ取ったランボーが、敵将の乗るヘリコプターと一対一。機動力という最大の武器を捨て、戦車の正面から低空飛行で突っ込むヘリは何がしたいのか疑問だったが、正面衝突する決着シーンを見て、「この画が撮りたかったんだな」と納得した。こういう阿呆な発想は嫌いじゃないですよ。

木の枝が貫通した傷口に、薬莢から抜いた火薬を詰めて引火させるシーン。表面を焼いて出血を止めるという発想は理解できるのだが(『レヴェナント』のディカプリオも同じことをしていて痛そうだった)、身体の内部まで焼いてしまうと回復に支障が生じないのだろうか。

ランボーにトラウトマン大佐が捕えられたことを伝えに来た男が、「伝えに来ただけだ」と言うのが、あまりにも白々しくて笑えた。ランボーが救出に行くと志願すると、「非公式の任務になるがいいのか?」と確認するのも白々しい。