オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『天使たちのビッチ・ナイト』

The Little Hours, 90min

監督:ジェフ・バエナ 出演:アリソン・ブリーデイヴ・フランコ

★★★

概要

男に興味津々な修道女たちの話。

短評

思ったよりもハジケないコメディ映画。パッケージの印象からパーティー映画的にバカをやる話だと思ったのだが(主要キャラもちょうど三人)、修道院という舞台の枠内で意外にも抑制の効いたブラック・コメディだった。と言っても、おっぱいも出てくるし下ネタも連発である。性に興味津々な処女は、処女ビッチとも違うし、何とカテゴライズされるのか考えてみたが、普通の処女か。性に興味津々な童貞を、童貞以外の言葉で表現する必要がないのと同じである。

あらすじ

時代は中世。イタリアはガルファニャーナにあるのどかな修道院で自分を持て余しているアレッサンドラ(アリソン・ブリー)、フェルナンダ(オーブリー・プラザ)、ジネーブラ(ケイト・マイカッチ)の三人のシスターたち。そこに奉公先の夫人との不倫がバレて逃げてきたイケメン(デイヴ・フランコ)が転がり込み、彼女たちは、ときに正攻法で、ときにナイフを突きつけ、ときに押し倒して、男根を我が物にしようと奮闘する。

感想

ボッカチオの『デカメロン』が元ネタだそうである。しかし、無教養な三十郎氏は、『デカメロン』と聞いても大きなおっぱいを思い浮かべるばかりである。従って、下品さの裏にあるのかもしれない知的な笑いにはついて行けない。過激で下品なジョークは笑えるが、そこだけに期待すると肩透かしを食う。あまり分かりやすく盛り上げる話ではなかったし、爆笑するタイプの笑いでもない。

イケメンに迫るシスターたちの姿は、女性を前にして我を忘れる童貞集団を見ているようで可笑しかった。普段は修道院の仕事をサボったり、雑用係のおっさんをFワード連発で罵ったり、聖餐用のワインをくすねて女子会している女たちが、いざイケメンを前にすればあの手この手で処女を散らそうと躍起である。血をチーク替わりに使ってみたり、どう誘いを掛ければよいのか分からないのにとりあえず接近したりと、考えることもやることも童貞の空転ぶりと変わらないのだなと思った。逆にシスターの姿を通して男が皮肉られているような気もする。

女同士のキスやおっぱい丸出しで踊る魔女の儀式も出てくるので、桃色目的はある程度満たしてくれる(できればアリソン・ブリーにも脱いでほしかった)。肛門ネタから、どこに射精するかといったネタまで下ネタのオンパレードなので、性が禁忌とされるカトリックを皮肉る狙いがあるのだろう。抑えつけようとするほど暴走するのも童貞の性欲と同じである。

ジョン・C・ライリーが神父役で出演しており、彼は毎晩聖餐用のワインで一杯やっている。イケメンに「飲んでいいのか?」と尋ねられ、「私が清めたから大丈夫」と返すギャグが面白かった。

デカメロン

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