オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『インビジブル 暗殺の旋律を弾く女』

In Darkness, 101min

監督:アンソニー・バーン 出演:ナタリー・ドーマー、エミリー・ラタコウスキー

★★★

概要

盲目のピアニストが陰謀に巻き込まれにいく話。

短評

スリリングで楽しかったが、オチが納得いかない映画である。全容が判明した後に考えてみると(割と説明不足気味なので三十郎氏が正しく全容を認識しているのかは大変に怪しい)、あれやこれやの描写が不必要なミスリードだったように思われて仕方がない。なんとなくしっくり来ない。

あらすじ

盲目のピアニスト、ソフィア(ナタリー・ドーマー)。彼女と同じマンションの上階に住むベロニク(エミリー・ラタコウスキー)が殺害され、犯人のマーク(エド・スクライン)は、自分を目撃したソフィアを始末しようとする。ところが、彼女が盲目であることが判明し、ソフィアは事なきを得る。しかし、ソフィアには裏の目的があり……。

感想

三十郎氏には、とりあえず何でも疑ってみるという悪い癖がある。従って、衝撃の展開にもさして驚くことなく(根拠はなかったくせに)「あーやっぱりな」と知っていた風を気取る。三十郎氏からしてみれば、全ての語り手が信用ならない。そんな三十郎氏も明確に事実を突きつけられるまでは「これは素直に見てもいいのかもしれないな」と納得させられてしまったのだが、そのためのミスリードが執拗かつ過剰で、「そこまでやる必要あった?」という疑問が、驚きよりも大きく残る。

本作が単なる巻き込まれ型スリラーでないことは、早い段階から提示されている分かりやすい伏線が教えてくれる。ソフィアの正体や目的が徐々に明らかになり、上手く興味を惹いた上で、ちゃんと話が繋がる。一方で、話は繋がったが、方法は観客を驚かせるための強引なものだったように思う。

ナタリー・ドーマーがゲースロ女優らしい堂々の脱ぎっぷりで目を悦ばせてくれる。一方で、おっぱい女優のエミリー・ラタコウスキーは、検死のシーンですら布で厳重に覆い隠されている(ばっくりと大きく谷間の開いた服を着ている痴女の役なのに!)。モデル出身の女優にありがちな“隙きあらば完璧な裸体を見せびらかしたい”タイプだと思っていたのだが……、解せない。ドーマーがラタコウスキーのおっぱいと比較されるのを嫌ったか。

事件を捜査する刑事が、格好よくもないし(ダイエット中)、妻を殺されもしないし(離婚済み)、引退直前の相棒もいないが(一人で捜査している)、ミルズ警部である。

邦題の『インビジブル』は視点が完全に逆ではないかと思うのだが、タイトルで全力ネタバレしにいったのだろうか。