オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ヘルレイザー3』

Hellraiser III: Hell on Earth, 93min

監督:アンソニー・ヒコックス 出演:ダグ・ブラッドレイ、テリー・ファレル

★★

概要

殺されたピンヘッドが復活してまた殺される話。

短評

完全にキャラクター映画へと舵を切ったシリーズ三作目。怖さや不気味さは一切なく、『ファイナル・デスティネーション』シリーズ的なオモシロ殺害描写くらいしか魅力がなくなってしまった。ホラー映画ではなくパニックアクション映画である。Gyao!で配信されているのが本作までなので、全九作に及ぶシリーズの残りの作品を観ないで済むのが救いである。

あらすじ

前作でチャナード博士に殺されたピンヘッドが銅像となって現世に復活した。銅像は生き血を吸って喋り出し、更に血を吸うと像から解放されたピンヘッドが現れる。復活したピンヘッドがところ狭しと暴れ回る話である。

感想

最初の生贄を入手して顔だけ動かせるようになったピンヘッド。銅像の中で顔とその周囲だけ色が明らかに違っていて、完全に観光地の顔ハメ看板である。この時点でシリアスの欠片もないのだが、その後も一片のシリアスすら出てこないので、安心して笑ってよい。

復活したピンヘッドはクラブの客を血祭りに上げ、街へ繰り出し店を爆破したり、駆けつけた警察を炎上させながら通りを闊歩する。現世を謳歌している。本作のピンヘッドは楽しそうだったが、三十郎氏は楽しくなかった。ピンヘッドが感情的に大声を上げるシーンも彼の神秘性を削いでいて、キャラクター映画になったのにキャラクターの魅力は下がっている。

シャークネード』からは敵の数が増えすぎるとコメディになることを学んだが、本作からは犠牲者の数が増えすぎるとホラーでなくなることを学んだ。恐怖というのは、対象が自分、つまり感情移入できる主人公または少数の人物に向かっている必要があるのだろう。犠牲者候補が沢山いれば、自分が殺られるという視点ではなく、どいつが殺られるんだろうというどちらかと言えば加害者側に近い視点に移ってしまう。

ピンヘッドの二番煎じのような有刺鉄線タイプの魔道士が登場する。映画とはまるで関係ないのだが、来たるべきゾンビ・アポカリプスに向けて武器を準備しておくなら、いわゆる釘バットよりも有刺鉄線を巻きつける方がよいのではないか。木製バットに釘を打ち付けると割れてしまいそうだし、上手く作れても攻撃の際に割れないか心配である。その点、有刺鉄線ならば釘よりはバット本体への負担が少なそうである。『ウォーキング・デッド』でニーガンが使用しているルシールも有刺鉄線タイプである。しかし、頭に刺さらなければ釘バットの意味がないし、有刺鉄線がクッションとなって逆に攻撃力が低下する可能性もある。難しいところである。

ヘルレイザー3 (字幕版)

ヘルレイザー3 (字幕版)