オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『狂人ドクター』

The Institute, 98min

監督:ジェームズ・フランコ、パメラ・ロマノスキー 出演:ジェームズ・フランコ、アリー・ガッレラーニ

★★

概要

患者を洗脳して売り飛ばす精神病院の話。

短評

ジェームズ・フランコ監督作品。この人が監督した映画は『ディザスター・アーティスト』を除いてことごとく外れているようだが、どうした理由があるのかやたらと作品数だけは多い。俳優業に専念すればいいのに(それも#metoo関連で雲行きが怪しいが)。本作は演出以前に脚本の段階で(更にその前のプロットでも)失敗していると思うのだが、演出の方も『チャイルド・オブ・ゴッド』と同じく変態エロ描写を楽しんでいるだけに見える。ジェームズ・フランコはコメディ畑の人なので、シリアスな映画の振りをした露悪的なエロを笑うのが正しい見方なのかもしれない。

あらすじ

ローズウッド病院で実際に起きた事件を基にしているそうである。上流階級の女性専用の精神病院がアコナイト(=トリカブト)会なる秘密結社と結び付いており、患者を洗脳して人身売買していたという驚愕の話なのだが、洗脳の描写が雑だったり、秘密結社の件がぶっ飛びすぎていて、どこまでが本当の話なのか分からない。映画のストーリーは、新たに入院した主人公が洗脳されたり洗脳が解けたりする中途半端なスリラーになっているが、人身売買が事実だったのなら、そこを正面から描けば面白い話になりそうなのに。洗脳やロボトミーまではあったとしても、秘密結社の儀式は全て創作なのだろう。

感想

アヘンチンキやトリカブトを配合した薬を用いて患者を洗脳し、儀式で何をやっているかと言えば、なんと“演劇”である。現在の自分と決別して別の人格を獲得することを治療と称して洗脳している。その過程では、腕を吊るしてムチを打ったり、足に熱湯をかけたりして、「痛みから解き放たれるのです」とSMチックな桃色行為をしている。舞台の本番では、主人公が男役を演じている=男だと信じ込んでいる設定のはずなのに、服を脱がされて秘密結社の男と交わりそうになっている。桃色結社なのは大変に結構なのだが、洗脳中の設定くらいは維持してほしかった。舞台で患者が脱ぐ以外にもパーティー会場には裸の患者が座っており、これではおっぱいパーティー目当ての助平軍団である。

主人公のイザベルを演じるアリー・ガッレラーニが美人である。おまけにおっぱいがスペシャルに綺麗である。彼女の洗脳と解除の入れ替わりが唐突過ぎてスリラーがほとんど成立していないが、それは脚本、演出、編集の責任であって、彼女演技が原因ではない。三十郎氏は綺麗なおっぱいを披露する美女を全面的に擁護する。彼女以外の患者も上半身裸で血に群がったりして、患者なのか秘密結社の会員なのかわけが分からなくなっているが、おっぱい見られたからそれでいいか。ルーシー役のゾーイ・ブルーやアリソン役のガブリエル・ハフも美人だったが、やはりおっぱいがイザベルの完勝である。

上流階級専用の病院という設定はどうだったのだろう。桃色結社の会員たちは上流階級の麗人を欲するだろうが、お嬢様が売り飛ばされたとなれば家族が黙っていないだろうに。

狂人ドクター(字幕版)

狂人ドクター(字幕版)