オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『レオとサメ』

Leo and the Shark, 81min

監督:ネイサン・デヴィッド・ウォーカー 出演:ジェシー・カミアン

概要

ロシア語でサメはアクラ(акула)。

短評

最も大切なことから書こう。サメ映画ではなかった。邦題『レオとサメ』、原題『Leo and the Shark』。どこからどう見てもサメ映画のはずなのに、サメは一秒たりとも登場しない。サメらしき生物すら登場しない。本作に登場するロシアン・マフィアのボスがアクラと呼ばれており、アクラはロシア語でサメを意味するというだけの話であった。何がサメだよ。ほとんど何もしないただのおっさんではないか。騙された。

字幕が自動翻訳である。「Right(分かった)」は全て「右」で統一されており、「No.」は全て「番号」と訳されている。「Mr.〇〇」は「氏〇〇」といった具合で、意味を成していない箇所も多いが、英語の聞き取りが苦手な三十郎氏としては、ないよりはあった方が理解の助けになるというレベルである。そんなわけで、本作に対してフェアな評価はできないのだが、商業レベルに達していないつまらなさだったことだけは言える。アメリカのAmazonだと高評価ばかりが並んでいるので、三十郎氏が不当に低評価している可能性もある(関係者のレビューだと信じたい)。英語の得意な日本人の感想を読んでみたいところだが、「是非この映画を観てほしい!」とはとてもじゃないが言えない。

あらすじ

三十郎氏に理解できた範囲内だと、本作は巻き込まれ型スリラーであった。家を訪ねてきた友人のジョージに対して、レオが「俺は命を狙われている」と語り出す。彼の回想の中には明らか妄想パートもあるので被害妄想型のサイコスリラーかと思って観ていたら、どうやら狙われていること自体は本当らしい。彼を狙うのが件のロシアン・マフィアである。レオが勤務していたスーパーの鮮魚コーナーのボス、カトリーナキム・タフ)が射殺され、彼女と不仲だったレオが疑われるのである。カトリーナの父がアクラで、彼はマフィアのボスであり、スーパーのオーナーなのである。マフィアの娘が普通にスーパーで働いているというのは笑いどころか。誰か英語に堪能な方が本作を観て、間違っている箇所があれば訂正してほしい。

感想

回想でレオが迷い込む廃墟となった映画館での赤い照明を用いた演出が良かったりと工夫しているところもあるのだが、ストーリーにまとまりがなく、盛り上がりに欠ける。スリラーとして最低限必要な緊張感がなく、締りのない映画になってしまっていた。ロシアン・マフィアの事情もマフィア内でレオとは関係なく片付いてしまうので、殺人まで犯してしまったレオが気の毒である。一般人が人を殺した割にはスッキリとした表情で映画が終わるので、一体何だったのかとポカンとするしかない。

ロシア語でサメを何と呼ぶのかが分かったことだけでも収穫だったとしておきたい。しかし、そのためだけに80分を費やすのは無駄である。今後のためにロシア語以外でサメ映画が製作される可能性のありそうな国におけるサメの呼称をまとめておこう。ドイツ語ではハイ(hai)、フランス語ではルカン(requin)、イタリア語ではスクアーロ(squalo)、スペイン語ではティブロン(tiburón)、中国語ではシャユ(鲨鱼)といったところである。なお、この訳の正確性には本作の自動翻訳と同様に確証が持てないので当てにしないでいただきたい。

レオとサメ

レオとサメ