オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ヘルレイザー2』

Hellbound: Hellraiser II, 99min

監督:トニー・ランデル 出演:ダグ・ブラッドレイ、アシュリー・ローレンス

★★

概要

また扉が開かれる話。

短評

人気ホラー映画の続編がキャラクター映画路線に走って絶望的な出来になるという最悪の事態は避けられたが、前作で好きだった美しいグロ描写が失われていて残念。エッシャーの騙し絵っぽい地獄の全体図は気に入ったが、安易なグロと血糊に頼り過ぎた印象である。キャラクター映画路線に走るのは嫌だが、ピンヘッドの活躍がほとんど見られないのは、それはそれで残念だった。

あらすじ

前作での事件後、精神病院に収容されていたカースティ(アシュリー・ローレンス)。そこの院長チャナードが件の箱の研究をしており、ジュリアを復活させ、再度扉が開かれる話である。

感想

ジュリアの復活シーン。前作のフランクの復活は映画全体における最高のシーンだったが、本作のジュリアは血まみれのマットレスの中からいきなり飛び出してくる。状態は人体模型のような皮膚なしタイプである。前作では骨から徐々に復活していく執拗さだっただけに、これは物足りなく感じる。同じことを焼き直しても仕方がないが、回想やフラッシュバックで前作のシーンを使い回すくらいなら、ここにもっと力を入れてほしかった。

赤い血と白い布の組み合わせが再利用されていたりと前作に頼る部分が多いが、扉の向こうの世界と新しい魔道士(と呼んでもよいのか?)の登場が、本作の新規性だろう。人はそれぞれに異なる地獄を持つという設定は面白かった。チャナードが魔道士化(と言うよりも怪物化)したものはビジュアル的には好きなのだが、既存の魔道士軍団と戦うこともあり、ここはキャラクター映画になってしまったと思う。

しかし、キャラクター映画の割に主役のはずのピンヘッドは活躍しない。チャナードにあっさりと倒され、人間時代の(生え際の怪しい)姿を披露する(ピンヘッド化するシーンは好き)。魔道士たちの正体が(記憶を失っているが)人間であるということが明らかになった。これで次回作以降では魔道士に対する見方が変化するだろう。今回秒殺されてしまったピンヘッドたちはどうやって復活するのだろうか。

戦いに弱いというのがガッカリだったピンヘッドだが、更にガッカリなのは彼が頭の方も弱そうなことである。精神病院の患者ティファニーが(チャナードに導かれて)箱を開いて登場したときには「この娘が望んで開いたのではないな」と賢明に察するのに、カースティと再開するやいなや「そんなにゲームの続きがしたかったのか。我々は求め合っているのだ」と喜び勇んでしまう。いや、カースティは関係ないから。たまたまいただけだから。元は人間であることが明らかになったので悪魔的に有能でないのは仕方がないが、ちょっとドジ過ぎて神秘性も吹っ飛んでしまった印象である。

ヘルレイザー2 (字幕版)

ヘルレイザー2 (字幕版)