オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ディスコード』

The Pact, 89min

監督:ニコラス・マッカーシー 出演:ケイティ・ロッツ、ヘイリー・ハドソン

★★★

概要

死んだ母の遺品整理をしにいった姉が消える話。

短評

主演の美女(ケイティ・ロッツ)がキャーキャー叫ぶだけのB級ホラー映画かと思ったら(三十郎氏はそういう映画を憎からず思っているのでそれが目的だった)、意外な程に静かな恐怖が待っていた。特にBGM無しのシーンは不気味な静寂さである。ホラー映画としても複数のジャンルが混ざっており、それがいい感じで驚きを誘う。期待しないで観たら意外に良かったというタイプの映画である。

あらすじ

主人公のアニーは母親と確執があり絶縁していたが(邦題のディスコードは恐らくこの意味。原題のPactは協定という意味)、死んだ母の遺品整理中の姉ニコールに促されて仕方なく帰ってくる。ところが、(肩出しの普段着で)葬式に参列すると姉がいない。一人になりたくないからと親戚のリズと実家に泊まっていると、リズも姿を消してしまう。この家で何が起きているのか。

感想

本作の良さは、不気味さと意外性だろう。ホラー映画にありがちな驚かせたりドタバタするシーンももちろんあるが、全体的に落ち着いた雰囲気に包まれており、じっくりと恐怖を味わうことができる。じわりじわりと迫り来る。ちゃんと“怖がらせる”をやっている。

本作はオカルト的なホラーからスリラーへと転換する。この展開自体もそれなりに意外性があるのだが、スリラーへの転換後もオカルトを捨てないのが特に面白いところである。完全にスリラーとしてハラハラしていたらオカルトを再利用するので「そう来たか!」とニヤリとさせられる。

ウィジャボードは複数人で遊ぶことに意味があると思っていたのだが、本当に霊がいるという設定であれば一人でも構わないらしい。大抵はホラー映画の導入として使用されるので霊の仕業なのか人為的なものなのか分からないという設定が必要になるが、既に身体が浮くといった現象が起きているため、ここでは霊に自由に活躍してもらえる。

クライマックはかなり緊張した展開なのだが、アニーの胸元が気になって仕方がなかった。悪夢を見たアニーが部屋を飛び出し、タンクトップとパンツという半桃色な姿でバイクに跨るシーンも目が釘付けである。ノーメイクなのかと思う程にソバカスだらけの彼女の肌が絶妙なくたびれ感で生々しい。霊感美女のスティービー(ヘイリー・ハドソン)もファンキーで素敵である。

一番最初の瞬きすると虹彩の色が変化する演出はよく分からないが(片目ではオッドアイにならない)、アニーがオッドアイらしいという設定は上手く活きていた。母との確執の理由がよく分からないままなのでモヤモヤしていたが、このオッドアイという繋がりからなんとなく察することができる。他にもPCの画面に残されたメッセージのように、伏線を上手く使っていた印象である。

「続きがありますよ」的な終わり方をして、実際に続編『ディスコード ジ・アフター』が製作されている。あの状況で生きているというのはどう考えても無理があるのだが、そもそもオカルト的な話なので構わないのか。

EDクレジットのフォントがウディ・アレンっぽいのだが、文字色が黄色なのでタランティーノっぽいというよく分からないことになっていた。