オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ギリーは幸せになる』

The Great Gilly Hopkins, 97min

監督:スティーヴン・ヘレク 出演:ソフィー・ネリッセ、キャシー・ベイツ

★★

概要

里親の家をたらい回しにされる問題児の話。

短評

周囲に対して心を閉ざしていた孤児が、愛に触れて心を開くというよくある話である。普通に心温まる良い話なのだが、心情描写(特に変化の部分)が薄いと言うか軽いと言うか、どうにも淡白な気がしていまいち楽しめなかった。

感想

ギリーのキャラクターが好きになれなかった。新しい里親の家に着くやいなや埃のチェックをするという姑のような憎たらしさや全方位へ突っかかる強がりが、母に捨てられた孤児という境遇に由来する彼女の鎧やマスクとして特徴づけられているのは良い。しかし、「問題児だけど実は優秀なの」みたいな設定は安易だし、賢いが故の苦悩が見えなかった。後に判明する「孤児だけど祖母はお金持ちなの」という設定と相まって「メアリー・スーじゃないんだから」という気分になる。

ギリーを演じるソフィー・ネリッセは、大人びているという設定もあるが同級生と比べて年を取りすぎている感が否めない。序盤の小憎たらしいキャラクターを考えれば合っているのだが、正直あまり可愛くはない。

上述の強がりの部分をいかにして崩すのかが、本人にとっても周囲にとっても、そして映画そのものの核となる。ここが実にあっさりしている。主に里親のトロッター(キャシー・ベイツ)の愛に触れて……ということになるのだろうが、切っ掛けはあれどそこまで決定的な出来事はないので、ギリーの変化が少々唐突に思える。問題を起こしてたらい回しにされてきたという過去の家庭も描かれないので、トロッターだけがどう特別だったのかよく分からない。

この辺りは三十郎氏の里親制度に対する無理解が原因だろうか。ギリーが新しい里親の元に着いて早々に問題を起こし、その時点で「この子は無理」と突き返されてきたのだろうか。自ら問題を起こし、それを許してくれる人を探すマッチポンプ的かまってちゃんである。愛を知らない子どもならそういうこともあるのかな。

里親のトロッターや教師のハリス(オクタヴィア・スペンサー)が結構良いことを言っていたりするのだが、ドラマの部分が雑なので、言葉が説教臭く浮いてしまっていた。原作は児童文学ということなので、分かりやすく教訓を伝えることが第一なのだろうか。

娘にガラドリエル様の名を付けるのは、日本だと何という名前に相当するのだろう。

ガラスの家族 (現代の翻訳文学(25))

ガラスの家族 (現代の翻訳文学(25))