オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『アフターライフ』

After.Life, 102min

監督:アグニェシュカ・ヴォイトヴィッチ=ヴォスルー 出演:リーアム・ニーソンクリスティーナ・リッチ

★★

概要

葬儀屋さんの秘密のお仕事。

あらすじ

死体的不感症の女アンナ(クリスティーナ・リッチ)が恋人ポール(ジャスティン・ロング)のプロポーズを別れ話だと勘違いして逃走し、交通事故に遭って、葬儀屋(リーアム・ニーソン)に「あなたは死にましたよ」と言われる話である。

感想

映画は主人公アンナの視点だが、アンナの「いや、私生きてるんですけど」と葬儀屋の「いや、死んだから受け入れなさい」のどっちとも取れるように描かれており、そのどちらであってもおかしくないし、そのどちらであってもおかしいという謎の状態が生じている。ミスリード合戦でよく分からないことになっている。

結末はボヤッとしているのだが、監督のインタビューで確定した答えがあるらしい。一応は納得できるのだが、息で鏡が曇るという伏線がどちらであってもおかしくないように、伏線が伏線として機能していないため少々腑に落ちない。どちらか分からないという状態をつくるためにアンナと葬儀屋のどちらに感情移入すべきなのか判然とせず、サスペンスなのかオカルトなのか焦点がボヤけてしまった。

答えが分かった後に葬儀屋の行動を思い返してみると矛盾や無駄だらけなのではないかという気がしてくるが、変質者の行動原理は理解できなくても仕方がないのだろう。しかし、それならそれで葬儀屋にもっと焦点を当ててほしい気もする。

恐らくは手術と減量を経て『バッファロー'66』の頃のわがままボディから二回りほどすっきりとしたクリスティーナ・リッチ。わがままボディ時代のおっぱいを見てみたかった気もするが、本作で披露しているヌードも十分に眼福である。別の遺体を確認に来た警察官がおっぱいを確認しようとしたのも無理はない。ただ『アダムス・ファミリー』のウェンズデーを知っているだけに、「大きくなったなぁ……」という感慨と「あの子役が脱いでる」という背徳感のせめぎ合いで妙に興奮する。

静謐な遺体安置室に赤が映えて美しい。「遺体安置所と美女の裸」の組み合わせに興味を覚えてしまった方は『レイプ・オブ・アナ・フリッツ』をどうぞ。

アメリカでは棺に釘打ちをしないようである。考えてみれば、閉じ込めてしまうとキリストが復活しても出てこられないし、ゾンビも地上に出られない。