オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『スター・トレック イントゥ・ダークネス』

Star Trek Into Darkness, 132min

監督:J・J・エイブラムス 出演:クリス・パインベネディクト・カンバーバッチ

★★★

概要

カークとカーンが出会う話。

短評

カーンを演じるベネディクト・カンバーバッチの顔芸が面白いリブート版の第二作。戦闘中に手をクルクルと回す間抜けな動きで笑わされることはないが、力の入るシーンで顔が歪みすぎていてどうしても笑ってしまう。魔法に頼らず普通に格闘していて格好いいし、別に笑わせにきているのではないはずなのに、何故か面白キャラにしか見えない。

ロンドンで発生した爆弾テロの犯人がカーンで、その裏で戦争的陰謀が進む話である。物語の大枠はそんな感じで、旧シリーズからの引用もありつつアクション多めのドタバタ映画である。一箇所は完全に『カーンの逆襲』からの逆転的引用なので、これは元ネタが分かった方が面白いだろう。

感想

このシリーズのカーク(クリス・パイン)は相当に脳筋である。シャトナー版のカークも割と脳筋直情型のところがあったので、若きカークとなれば想像を絶する脳筋でも無理はない。一方、スポック(ザカリー・クイント)の方も直情型のところがあり、それが人間的感情を学ぶという彼のキャラクターの軸になっている。しかし、旧シリーズでのスポックは老いてから感情というものを学んでいたように思うので、そこは少し矛盾があるのではないか。別の世界線の物語として考えるべきだろうか。

この手の映画で科学考証に関する指摘をするのは野暮だと思うのだが(そもそも三十郎氏には指摘するための十分な知識もない)、宇宙空間において船が傾いたときに重力の方向が変化するのはいかがなものだろう。元々重力がないから何らかの形で床方向へ重力を発生させているはずなので、船が傾こうと人が天井側に引っ張られることはないはずである。そうなるためには天井方向へ重力を発生させる装置が必要となるが、そんなものを搭載する意味がない。また、装置が故障すれば無重力になるだけだろう。

スポックがシートベルトをしていた。シートベルトの不在がスター・トレックアイデンティティだと思っていたのに!しかも自動着脱式という最新テクノロジーである。しかし、どうして旧シリーズの方が後年の話なのにシートベルトがないのか。ロストテクノロジーとなった理由が知りたい。

旧シリーズの頃から薄々感づいてはいたのだが、カークとスポックの関係は明らかにBL趣味を意識しているとしか思えない。本作のラストカットであるカークとスポックが並んで会話している後方に小さく映ったウフーラ(ゾーイ・サルダナ)が彼らを眺めている姿は、カークにスポックを寝取られた三角関係にしか見えない。もう一人の相棒マッコイとのカップリングも人気がありそうだし、因縁の相手であるカーンともカップリングされていそうである。現シリーズだとサイモン・ペッグの人気もあるのでスコッティとのカップリングもありうる。劇中では尻尾のついた美女二人とベッドインしてお盛んなカークだが、劇外では別の意味で多くの女性を悦ばせていそうである。