オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ジョン・ウィック:チャプター2』

John Wick: Chapter 2, 122min

監督:チャド・スタエルスキ 出演:キアヌ・リーブスリッカルド・スカマルチョ

★★★★

概要

伝説の殺し屋が引退できない話。

感想

冒頭、ヴィゴの弟アブラム(ピーター・ストーメア。ヴィゴ以上にマフィアのボス以外の職業に就けない顔をしている)から愛車のマスタングを回収するジョン・ウィックキアヌ・リーブス)。アブラムが「はい、どうぞ。持って帰ってください」と言ったところでジョンが勘弁してくれそうにないので、最初からテンションマックスである(カーブしながら車がジャンプするところが抜群)。愛車がボコボコになっても気にするな。OPクレジット前のアクションシーンが魅力的な映画は本編も面白いというのが三十郎氏の持論である。というわけで、本作も例に漏れず面白い。アブラムがジョンの名前を出すと部下が「Oh……」と察する前作のヴィゴと同じ流れが三十郎氏は大好きである。

愛車を取り戻し、銃やコインを再度コンクリートの床下に埋めて引退生活に戻ろうとするやいなやの訪問者。そう簡単にジョンに平穏は訪れないらしい。そんなわけで引き続き戦わざるを得ないというのが今回のお話である。前作と同じくジョンを裏舞台に引きずり出すための無理やりな設定という感じはするが、そこを含めてのお約束的楽しみである(誓印の依頼を無視すればどうなるのかジョンが知らないはずはないし)。サンティーノが「良い家だな」と褒めた直後に焼き払うのは、京都人の「良い家どすなぁ」的なノリなのか。

本作の鍵となる誓印のシステムや、コンチネンタルのソムリエ(銃)やテイラー(これは文字通り)のサービス、更に殺人依頼サービスのアカウント部といった殺し屋世界のアレコレが登場し、物語はその奥行を明らかにしていく。一匹狼であっても装備を集めることで、仲間集めと同じような高揚感を得られる。特にテイラーのサービスは素敵である。三十郎氏もスーツの似合うマッチョな肉体を手に入れてビスポークのサービスを受けてみたい(短足・顔デカ・並身長の二.五重苦は無視するものとする)。防弾スーツを手に入れれば、殺し屋だらけのニューヨークを歩くのも平気だろう。もっとも三十郎氏レベルの紙メンタルであれば痛さで失神して、そのまま死ぬかもしれない。

ニューヨークは殺し屋だらけである。ストリートミュージシャンやホームレスに至るまで、街を歩く人は全て殺し屋だと考えて差し支えない。ピーター・パーカーもコミックや映画に出ていないところでは超人的能力を活かして人を殺しているに違いない。カシアン(コモン)とのサプレッサーを付けた銃の撃ち合いに周囲が気づいていないシーンは、素人には理解できない達人どうしの試合みたいになっていて、どこかコミカルである(現実では映画のように消音できなかったのではないかと思う)。地下鉄でのナイフバトルも、乗り合わせた客は生きた心地がしないだろうに隣の車両に逃げずにただ眺めている(一人くらいは動画撮影する人がいそう)。二人がローマで長い階段を転げ落ちるのもコミカルである。鉛筆キルも出てくるし、アクションについてはサービス精神旺盛である。

燃えよドラゴン』以来、様々な映画で模倣されてきた鏡張りの部屋での戦い。設定自体には既視感があるが、舞台が美術館の展示ということもあって照明が幻想的な雰囲気を醸し出していた。昔はカメラマンが鏡に映り込まないようにアングルを工夫する必要があったが、今は自由に撮影しても後から処理できるのだろうか。鏡張りの部屋で戦う女殺し屋アレス(ルビー・ローズ)が素敵である。彼女の特徴的なショートカットは何という髪型なのだろう。ジョンが彼女の部下を倒した後にアサルトライフルを回収していればもっと楽に倒せたと思う。

続編へと繋がるクリフハンガーは完璧である。本作でニューヨーク中の殺し屋たちに追われたジョンが、今度は世界中の殺し屋たちに追われるハメに。「ニューヨークにどれだけ殺し屋いるんだよ!」とビックリするほど殺し屋だらけのニューヨークだったが、ニューヨークだけではなく世界中が殺し屋だらけなのか。殺し屋ではない一般人との割合はいかがなものだろう。もしかすると三十郎氏も実績がないだけで殺し屋なのかもしれない(腕時計は内向きにつけている)。最新作の公開が待ち切れない。本国から公開が遅れていない『ジョーカー』を先に観ようと思っていたが、どうしよう……。 

果たして、可愛いビーグルのデイジーちゃんからバトンを受けた怖いピットブル(♂)に名前はつくのか。

MAFEX マフェックス No.085 チャプター2 ジョン ウィック 全高約160mm 塗装済み 可動フィギュア