オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『アンダーワールド ビギンズ』

Underworld: Rise of the Lycans, 92min

監督:パトリック・タトポロス 出演:ローナ・ミトラビル・ナイ

★★★

概要

狼男が吸血鬼に反乱を起こす話。

短評

前二作の前日譚である。一作目でそれまでの嘘が暴かれたビクター(ビル・ナイ)による悪辣な支配の時代を描くことで、同胞に対して反旗を翻したセリーン(ケイト・ベッキンセール)の戦いに正当性を付与する狙いがあるのだろう。単なるスピンオフとしての前日譚ではなく、シリーズにおける位置づけや目的が明確なところに好感が持てる。これまでより短いのも良い。本作を観れば前二作の理解が深まり楽しみも増えるはずだが、前二作を観ていないと本作も何のことか分からないというジレンマがある。

あらすじ

セリーンのそっくりさんのソーニャ(ローナ・ミトラ)とライカンの始祖ルシアンの交わりは、これまでよりも明確に“禁断の愛”要素が打ち出されており、このシリーズがダーク・ファンタジーの皮を被ったラブ・ロマンスなのだということがよく分かる。これは三十郎氏の苦手なジャンルであり、残りの二作がキツくなりそうだが、そうだと分かってしまえばそういうものだとして受け入れるより他にないので、少しは気楽に観られそうな気もする。ちなみにソーニャとルシアンの交合は、スリルたっぷりの崖っぷちセックスである。背徳感だけでは飽き足らないのか。人間と同じプレイでは満足できないのか。

セリーンと瓜二つという設定のソーニャは初登場時には「本人じゃん!」と思ったが、よくよく見るとそこまで似ていない。セリーンと比べてソーニャは唇が厚く、クール・ビューティーの極地からセクシーに寄った気がする。ボンデージでないのもスタイリッシュさを欠く要因となっているが、三十郎氏は知っている、きっと彼女もミスリルの下には何も身に付けていない変態さんであることを。

吸血鬼と狼男の戦いなのに現代戦よろしく銃でドンパチするのが本シリーズの特徴なのだが、本作の時代にはまだ銃が開発されておらず、剣や斧、ボウガンといった中世的な武器で戦っている。アンダーワールドらしくはないが、画的には合っている。

吸血鬼の性質上、画面が常に暗いという特徴があるが、本作では更に雨が降ることでドロドロ感が増していた。

最近話題になっている「How dare you!」という台詞が本作にも出てくる。もっとも映画ではよく耳にするフレーズである。一度言ってみたい台詞なのか、それとも言わずに済む方がよいのか。