オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ワイルド・ドライバー』

Pork Pie, 105min

監督:マット・マーフィー 出演:ディーン・オゴーマン、ジェームズ・ロールストン

★★★

概要

結婚式をすっぽかしてフラれた元恋人に会いに行く話。

短評

意図したわけではないが二日続けて黄色い車のロードムービーを観ることになった。『リトル・ミス・サンシャイン』と同じくブラックな要素もありのほのぼの珍道中である。主人公たちは警察に追われているのでほのぼのしていられないが、ニュージーランドの風景が逃走劇を牧歌的でゆったりとしたものにしている。移動中の羊に囲まれて立ち往生するシーンはニュージーランドならでは。

あらすじ

書けない小説家ジョンの車が炎上したのでヒッチハイクしたら、乗せてくれたルークが運転しているのは盗んだミニクーパーである。「バーガー食べたい」と立ち寄ったハンバーガー屋で脱走したヴィーガン店員のキーラ(アシュリー・カミングス。かわいい)を拾って車を走らせていたら、警察の姿を見つけたルークが暴走&逃走して珍道中の幕開けである。目指す先はジョンの元恋人スージーアントニア・プレブル。かわいい)のいるインバカーギル

感想

1981年のニュージーランド映画『明日なき疾走(Goodbye Pork Pie)』を同国でリメイクした映画なのだとか。原題のPork Pieは料理ではなくポークパイハットという帽子のことで、タイトルにするほど重要なアイテムではなかったと思うのだが、オリジナル版ではどうなのだろう。

ミニクーパーのカーチェイスは都市部に強い。街中で逃走を開始して駅に逃げ込み、プラットホームを走って貨物列車に乗り込む演出は小回りの利くミニクーパーならではである。都市部でパトカーから逃げる予定のある人はミニクーパーを買うか盗むかしておくべきである。逆に大自然の中では逃げ切るための馬力が足りないが、そこまで来たときにはストーリーの焦点が他に移っていたので気にならなかった。

闘うヴィーガン娘キーラちゃんが可愛くて面白い。彼女は逃走中にネットに動画を投稿してジョンとルークの顔を晒してしまうおバカさんである。彼女はハンバーガー店で働いて、商品の入った袋にヴィーガンの広告を忍ばせるという工作活動に従事している。動画投稿もヴィーガンの抗議活動の一環である。その動画がバズって逃走劇は混乱する。アニー・ウィルクス的なヤバいファンも現れて更に混乱する。そうして散々バカやった後にニッコリできる結末を用意している辺りは、黄色い車のロードムービーに相応しい。ちなみにキーラちゃんはヴィーガンなのにホーキーポーキーのアイスクリームが食べたくて悶々としている。

細かいシーンだが、マリファナを吸ったジョンが車のドアを開けられないシーンの演出がよく酩酊感が出ていると感じた。酒に酔ってフラフラしているときの感覚が映像になっていた。三十郎氏はマリファナを吸ったことがないのだが、酩酊感は似ているのだろうか。「ハイになった状態でヤッてみない?」と美女に誘われるのは憧れる。

ワイルド・ドライバー(字幕版)