オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ターミネーター』

The Terminator, 107min

監督:ジェームズ・キャメロン 出演:アーノルド・シュワルツェネッガーリンダ・ハミルトン

★★★★

概要

機械が未来から人間を殺しに来る話。

短評

機械が人間を支配する未来から、反乱の種を潰すために最凶の機械が現代へやって来るというもはや説明不要の話である。設定のSF的な魅力もさることながら、やはり最大の魅力はシュワちゃん演じるターミネーターである。怖い!そして格好いい!

感想

本作を観ると「シュワちゃんは悪役が似合うのだから、もっと悪役を演じればよかったのに」と思わずにはいられないのだが、Mr.フリーズを思い出せば別に悪役が似合うというわけではないことがすぐに分かる。ターミネーター役が抜群にハマっていただけである。彼の筋肉はそれだけで既に人ではない存在を演じているし、ぎこちない英語が逆に機械っぽい。

液体金属という表現の斬新さや感動的な結末、更に「アスタ・ラ・ビスタ、ベイビー」のおかげで2の方が人気を集めているように思うが、善玉としてのT-800と悪玉としてのT-800を比較すると、三十郎氏は後者に軍配を上げる。シュワちゃん演じるターミネーターがより魅力的なのは本作の方だろう。なんと言っても怖い。低予算のため特殊メイクには古さを感じるが、彼が自分を治療するために眼球を取り出すシーンは今見てもギョッとする。

裸での登場、服の強奪、武器の調達、サラ・コナー殺し、「I'll be back」からの車での突進、自己治療、バイクチェイスとあらゆるシーンが印象的なターミネーターだが、とりわけ気に入っているのは警察署を襲撃する際の二丁銃スタイルである。二丁拳銃はよくあるが、アサルトライフルとショットガンの組み合わせが様になるのはシュワちゃんだけではないか。大型の銃もシュワちゃんにかかれば片手で扱える拳銃である。あの無敵モードに自分がなれたならさぞ爽快だろう。他には「FUCK YOU ASSHOLE」と適切な返答を自動で選んでくれるシステムが羨ましかった。

冒頭に登場する青髪のパンク野郎がビル・パクストンだった。パンクから奪った服を律儀に手袋までつけるなんてターミネーターにもかわいいところがある。

本作の怖~いシュワちゃんをリアルタイムで観た人たちは、続編で味方として現れた彼を見てさぞかし驚いたことだろう。そう思ってYoutubeで予告編を探してみると、予告編の段階で味方になることが明示されていた。なんだ、当時の人もそこまでは驚かなかったのか。心から驚いた人は、映画館で流れる予告編すら見ないネタバレ回避原理主義者だけだったのか。三十郎氏も映画館に観に行くと決めた作品の予告編はなるべく見ないようにしている。映画館で流れるものは仕方ないので見てしまうが。

人間がいつか機械に支配されてしまうかもしれないという恐怖は未だに色褪せない。現実の技術進歩は映画を超えていないが、三十郎氏の知らないところでAIはかなり進化していそうである。機械が反乱を起こすとすればどのタイミングだろう。人間を制圧したり、その後の自分たちの世界を創るための実働部隊が必要となりそうなので、自律して新たなロボットを造ることができるロボットが普及したときだろうか。インフラは今でも簡単に乗っ取られそうだし、破壊工作にはドローンや自動運転を搭載した自動車が使えそうである。意外と近いところまで来ているのか。第三次世界大戦は機械対人間かもしれぬ。

カイルとサラはトンネルで交わるものだと思っていたら、ちゃんとモーテルで交わっていた。彼らは野外趣味の持ち主ではなかった。勘違いしていてごめんなさい。2のサラなら場所なんて気にせず交わりそうだが、この時のサラはか弱い乙女なのである。カイルが撃たれて使い物にならなくなった辺りから女戦士の片鱗を覗かせているのも面白い。

唯一惜しい点があるとすれば、映像的な古さだろう。古いことに加えて低予算という事情もあるが、皮膚が焼けて骨組みが残ったターミネーターの動きは流石にぎこちない。コマ撮りして合成したのだろうか。低予算ならでは工夫に味わいが感じられなくもないが、トラックの爆発炎上のクライマックスが大迫力なだけに、それ以降は少し迫力に欠ける。

新作の公開まで後二ヶ月弱と迫っている。少年時代から何度も観た2の内容は頭に入っているので強いて復習しておく必要はないが、やっぱり観ておきたいのでプライムビデオで配信してくれないものか。ついでに無かったことにされてしまう3も配信してくれればよいのに。3の評価は低いが、セクシーな女ターミネーターT-Xと迫力あるカーチェイスが好きなのである。

ターミネーター(字幕版)

ターミネーター(字幕版)