オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ホテル・バディーズ ワンちゃん救出大作戦』

Hotel for Dogs, 99min

監督:トール・フロイデンタール 出演:エマ・ロバーツドン・チードル

★★

概要

廃墟を不法占拠して犬を飼う話。

短評

子ども向けの映画であることを加味しても許容範囲を超えてつまらない。犬がワンワンやっているだけでも最低限のラインは超えてきそうなものなのに何がダメなのか。全部が全部ぎこちないと言うかギクシャクしていると言うか……。なんだか違和感がある。コメディとして間の取り方が悪いのか、脚本が物語として成立していないのか、編集が壊滅的に下手なのか。ここが悪いと言い切ることはできないが、何もかもが上手くいっていない印象である。

感想

里親に隠れて犬を飼っていた孤児の姉弟が、廃墟化しているホテルに大量の野良犬を集める話である。たくさんの犬が出てきて上手に演技をしているので、その点だけは褒められるが、可愛い犬の映像が見たいだけなら映画でなくてもYoutubeでも眺めていればよい。可愛い犬の演技が物語にどう馴染んでいるのかが映画としては重要になるが、本作はその物語の部分が決定的に弱い。犬たちは確かに可愛いが、捨て犬や野良犬が血統証付きみたいな犬種ばかりなのはどうかと思う。

ホテルという舞台設定は最後の超強引な大団円までは特に活きていないが(あの演説だけで全てが解決するのは流石に酷い)、そこで弟くんが造る糞の処理システムのような仕掛けは面白かった。犬が遊ぶための仕掛けが、大人に対してホラー的に転化するところも良かったので、その辺りの描写はもっと増やせばよかったと思う。

孤児の姉弟は結構な悪ガキである。空箱に石を詰めてシュリンクし直し質屋を騙しているような犯罪者の卵である。本作の中心となる廃墟への侵入だって犯罪である。恵まれない境遇にある子どもが生きるために犯罪に手を染めるのは、ある程度仕方がない部分があるものの、それをソーシャル・ワーカーが擁護してしまうのはどうなのだろう。「彼らは素晴らしい子どもだ」と言って問題を放置してよいのか。その辺りが、最後の演説への違和感に繋がっているのだと思う。何でもかんでも肯定してあげればよいというものではない。