オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ハングオーバー!!! 最後の反省会』

The Hangover Part III, 100min

監督:トッド・フィリップス 出演:ブラッドリー・クーパーザック・ガリフィアナキス

★★

概要

脱獄したレスリー・チャウを探せ。

短評

二日酔いしていないシリーズ最後の第三作。二作目は単なる焼き直しとして評価が低かったようだが、一作目だって単なる下品な阿呆映画である。楽しければそれでよいではないか。三十郎氏は好きである。そこで焼き直しを止めた本作である。アルコールやドラッグの力による高揚感もなければ、アラン以外がバカをやらないので笑いの部分もパワーダウン。ハングオーバーらしからぬショボくれた話になってしまった。

あらすじ

手に負えなくなった42歳のニート・アラン(ザック・ガリフィアナキス)をリハビリ施設に送る途中、狼軍団が襲撃を受ける。襲撃者の正体はチャウに金塊を盗まれたマーシャル(ジョン・グッドマン。黒ダグのボス)で、チャウと唯一連絡を取り合っているアランに、行方知れずのチャウの捜索を強要するのだった。白ダグは人質に。毎度の事ながら仲間外れで気の毒である。

感想

“酔っ払っている時にバカをしたらしいが記憶にない”というシリーズの核心部分を放棄したために、何がしたいのかよく分からなくなっている。前作までは、仲間の一人が消えてしまったので探さなくてはならないという状況でも、事態を把握できていないが故の余裕があり、それが笑いに繋がっていた。対する本作では、フィル(ブラッドリー・クーパー)たちは誰も記憶をなくしておらず事態を把握している。ここでパーティー映画の黄金比から悪意の阿呆が失われ、シリアス二人に善意の阿呆一人というバランスの悪い構成になってしまった。

常識人のステュ(エド・ヘルムズ)が困っている姿も見て笑うこともできないし、それを面白がるフィルを見て笑うこともできない。アランを主役に据えたことで、彼ら二人は消えてしまった。そんな状況でアランだけがいつも通りバカをしても浮いてしまうだけである。それがアランというキャラクターをよく現しているとも言えるが、そんなことをしなくても彼のダメ男ぶりは分かっているし、なにより笑えなければ何の意味もない。

シリーズ最終作ということで彼らが今までやってきた行為の後始末をしたり、報いを受ける展開ならば、笑いを犠牲にしてでも違いを作った理由を理解できるが、本作はただ巻き込まれただけである。

キリンの首が吹っ飛んだり、アランが一度舐めたアメをキャシー(メリッサ・マッカーシー)の口に入れる汚くもロマンチックなシーンは笑えなくもないが、映画全体として楽しい雰囲気が失われていたのは残念だった。エンドクレジットで流れる“いつものオープニング”を見れば、やはり何が起きたのか気になる。焼き直しになると分かっていても、いつも通りやる方が面白かったのではないか。

残念な形で終わってしまった大好きなシリーズ。願わくは、15年後か20年後くらいに仕事を引退した狼軍団が再結成して『ラストベガス』のように老人がバカをやるシリーズ四作目を観てみたいものである。