オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『地獄の7人』

Uncommon Valor, 104min

監督:テッド・コッチェフ 出演:ジーン・ハックマンパトリック・スウェイジ

★★★

概要

ベトナム戦争で取り残された息子を父親が探しに行く話。

短評

内容自体はハチャメチャなアクション映画なのだが、ベトナム戦争と並行してラオス内戦が繰り広げられていたという歴史の勉強になったり、身内の生死すら分からない家族の気持ちが描かれていて、妙に思うところのある映画である。シベリアから持ち帰った遺骨がDNA鑑定の結果日本人のものではないと判明したというニュースを最近読んだこともあり、拉致問題と併せて、実感の湧きにくい被害者家族や遺族の心情を考えてみたりするのである。

感想

とは言え、映画自体はドッカンバッカンである。火薬と銃弾が主役である。ベトナム戦争で行方不明となった息子のフランクを探すため、ローズ大佐(ジーン・ハックマン)は何度もバンコクに渡り10年にも及ぶ調査を敢行する。その甲斐あって、ラオス北部に捕虜収容所があることを突き止め、フランクらしき姿を捉えた写真を入手する。フランクと同じ部隊に所属していた兵士を中心に6人の仲間を集め(本人を含めて7人)、錆びた腕を磨き直す訓練を経て、いざフランク奪還へ。

最初に書いた繊細な部分が霞むくらいに(消え去るくらいにと言ってもよい)ドッカンバッカンである。演習の段階から火薬使い放題で訓練はちょっと楽しそうだし、CIAに武器を押収されて新たにボロい武器を現地調達するシーンも楽しい。国境警備隊と一戦を交えてから捕虜奪還作戦までは一直線のドンパチ映画である。協力者の現地女性も勇ましい。

あまりにも愉快にドンパチやっているのでフランクのことを忘れそうになるが、実は彼が既に病死していたというラストが切ない。それでも帰国したローズの顔は実に清々しいものである。“行きているかもしれない”という希望に縋るから辛いのであって、自分にできることをやり切った彼は、ちゃんと息子の死を受け入れられたのだろう。

それにしてもラオスに対する主権侵害が凄いことになっている。いくら捕虜を連れ帰ったとは言え、国が表立って彼らを歓迎することはできないだろう。秘密裏に帰国させて別の身分を与え「我一切関知セズ」と白を切るのが限界である。そうでないと第二のベトナム戦争が勃発してしまう。言ってしまえばいい加減で荒唐無稽な話なので、戦闘中の行方不明者をテーマとした映画としてはあまり高く評価してはいかんという気にもなる。

七人映画マラソンをしたら凄いことになりそうである。プライムビデオで配信されていないからしないけど。

地獄の7人 (字幕版)

地獄の7人 (字幕版)