オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『イン・ドリームス 殺意の森』

In Dreams, 100min

監督:ニール・ジョーダン 出演:ロバート・ダウニー・Jrアネット・ベニング

★★

概要

リンゴ恐怖症の女が暴れ回る話。

短評

身内が統合失調症を患ったらこんな感じなのかと恐怖して楽しんでいたら、主人公の幻覚や悪夢は真実でしたというありがちな展開になって、やはりつまらない映画である。鎌を持って主人公を追いかけるロバート・ダウニー・Jrの迫真の演技を見て笑うのが本作の正しい楽しみ方だろう。

あらすじ

クレア(アネット・ベニング)は娘が拐われる悪夢にうなされている。彼女はこの時点でおかしな人なのだが、健気な夫は警察に相談に行ってあげるのである(なんて優しい!)。もちろん相手にされずにあしらわれている内に、彼女の娘は悪夢の通りにいなくなってしまう。自棄になって自殺を試みるも未遂に終わり、いよいよ狂乱を極めていくクレア。「私の頭の中に男がいるのぉおおおお!!!!」と喚きながら、夫とキス中に唇に噛み付き、リンゴを見て錯乱し、家の中を破壊し尽くし、リスカを決めて眠る。「ポール、助けて……」と夫に縋るが、助けてほしいのは夫の方だろう。挙句の果てには道路に飛び出して大事故を引き起こし、三十郎氏が「さっさと死んだらいいのに」と思いはじめたところでようやく精神病院に収容である。

感想

それでも夫は優しい。「妻を治すためなら何でもする」と家を売り、懸命に妻を支える。この辺りまでは「精神病って怖いなあ」という映画の意図とは別角度から楽しむことが可能なのだが、このまま彼女の治療を続けるという話になるはずもない。クレアの病状があまりに酷いので二重人格オチかと思ったら、実は彼女の悪夢は現実でしたというありがち過ぎて逆に驚愕の展開が待ち受けている。どうして彼女の頭に男が入り込んだのかなんてことを考えても誰も得しない。そういう話なのである。

ここから先はロバート・ダウニー・Jrの病的な演技を見て楽しむしかないが、それだけだと楽しくないので、結果的につまらない映画だったということになる。

ダークな映像は良かったが、傍から見ると病気だが実は真実が見えているという役どころのクレアが完全に病気にしか見えないこともあり、主人公が感じる恐怖に一切共感できなかった。それは真実が明かされる終盤になっても同じである。クレアが感じる恐怖ではなく、クレアにより恐怖を感じさせられる人にならたっぷり共感できる。 

イン・ドリームス/殺意の森 [DVD]

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