オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ネメシス/S.T.X』

Star Trek: Nemesis, 116min

監督:スチュアート・ベアード 出演:パトリック・スチュワートトム・ハーディ

★★

概要

ピカードのクローンと戦う話。

短評

スター・トレック・シリーズだと分かりづらいタイトルだがスター・トレックである。S.T.XがStar Trek 10である。どうしてこんな邦題にしたのだろうか。シリーズのファン以外を取り込もうとでも考えたのだろうか。無茶である。ピカード版のシリーズの最終作だと言うのに、これだけ見せられてもチンプンカンプンになるだろう。

あらすじ

ロミュラン帝国でクーデターを起こした謎のハゲ男シンゾンの正体は、なんとピカードのクローンであった。シンゾンを演じるのは、頭を綺麗に剃り上げたトム・ハーディである。トム・ハーディパトリック・スチュワート。まるで似ていないがクローンなのである。ピカードが若い頃の写真を眺めていると、そこには確かにトム・ハーディが写っているのである。

感想

三十郎氏はピカードという人物について大きな思い違いをしていた。ここに訂正して謝罪したい。彼のことをスキンヘッドの男であるとばかり思っていたが、実際には最後まで僅かながら髪の毛が残っていた。彼はスキンヘッドの男ではなかった。限りなくスキンヘッドに近い坊主頭の男であった。対するシンゾンピカードよりも若いのに完全なスキンヘッドである。これはどういうことか。シンゾンは病気の影響で髪の毛が抜け落ちてしまったのか。それとも未来の育毛剤を使えば髪が生えてくるのか。もし、病気の影響なら三十郎氏はシンゾンを応援せざるをえない。

シンゾン曰く「鏡を見てみろ。俺が写るはずだ」。残念ながらピカードが鏡を見てもシンゾンは写らないだろう。三十郎氏だって鏡を見て(小学校に入る前くらいまでの)愛らしかったかつての自分が写れば素敵だと思うが、実際に写るのは生え際が後退し、シワの増えてきたおっさんである。最近、鼻毛の中に白いものが混じっているを発見して、老いを自覚したばかりである。データの言う通り、遺伝的に同じであっても個人を形作る経験が違えば既に別人なのである。

作品全体としては、これまでにないほどアクションが盛りだくさんである。ここまで戦いばかりでなくてもよいから、もっとストーリーを丁寧に見せておくれと思う程に盛りだくさんである。映像の出来もシリーズで最も良いとは思うが、本作が『ファントム・メナス』後の作品であることを考えると物足りない。最終作らしく銀河規模の危機を演出したかったのは理解できるが、シンゾンの目的はロミュランへの復讐に絞ってもよかったのではないかと思う。

また、これまでになかった要素として、新婚夫婦のベッドシーンが取り入れられている(おっぱいは見えない)。前作でもお風呂というサービスがあったが、直接的に性を描いたのは初めてではないか。しかもNTR要素まである。

新シリーズのスポック的な位置づけかと思われた割に扱いの軽かったデータが『カーンの逆襲』のスポックの如く自己犠牲の精神を発揮する。ピカードは「彼は我々に人間らしさを教えてくれた」と評するが、人間以外の人間らしさは、結局のところ人間にとっての都合の良さでしかないのではないか。

スター・トレック・シリーズでは玉砕攻撃が多様されていたように思う。もしかしてライアン・ジョンソントレッキーが送り込んだスパイなのではないか。ジェームズ・ガンの過去の発言よりもよっぽど問題ですよ、ディズニーさん。映画監督にも政治家のような身体調査が必要ではないか(政治家と同じく実質的に機能しないなら無意味か)。

ピカード版の新シリーズ(TNG)は、映像的には旧シリーズよりも大きく進歩したものの、駆け足的に話が広がってキャラクターに愛着を感じる前に終わってしまった印象である。もちろんドラマを観ていれば別の感想になるのだろう。J・J・エイブラムスによりリブートされた現行シリーズ3作品はプライムビデオで配信されているようなので、Huluの無料期間が終わってから観ようと思う。

ネメシス/S.T.X (字幕版)