オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『悪魔の奴隷』

Pengabdi Setan(Satan's Slaves), 105min

監督:ジョコ・アンワル 出演:タラ・バスロ、ディマス・アディティア

★★★

概要

母親が死んだ家に現れるのは幽霊か悪魔か。

短評

インドネシアのホラー映画。先日観たタイのホラー映画的な映画とは違い、ちゃんとホラー映画である。怖がらせ方や驚かせ方がよく研究されている印象を受ける(ハリウッド映画だけでなく日本映画の影響もあるのか、井戸のシーンは貞子だった)。その分、珍しいインドネシア製ならでは独創性には欠ける気がするものの、全体のじめっとした不気味な雰囲気や映像が良く、最後までしっかり楽しめた。

あらすじ

数年に渡り病に伏せっていた母親が亡くなった家で(母は亡くなる前から亡霊的で既に怖い)、生前寝たきりだった母が人を呼ぶために使っていた鈴が鳴ったり、ラジオから母の声が聞こえたりと奇妙な出来事が起きる話である。心霊ものかと思うが、(関係あるのかどうか分からないが)インドネシアイスラム教国家である(女性が髪を隠していないので比較的緩いらしい)。ちゃんと唯一神を信仰しないと大変なことになるぞという驚きの構成になっている。

感想

幽霊、オカルト、悪魔崇拝、ゾンビと盛り沢山なのだが、やり過ぎという印象は受けなかった。全体に静かで落ち着いたトーンで描かれているため、数少ないスプラッター的なグロ要素が良いアクセントになっていて、盛り上げるところはちゃんと盛り上げている。悪夢と正夢や、元気な頃は歌手だった母の歌といった繰り返し要素も上手く使われている。

天井の角にカメラを構えたような広角・俯瞰のショットが気に入った。何が起こるわけでもないのだが、何者かが見張っているような気がして不気味である。

普通に面白いホラー映画なのだが、“インドネシアのホラー映画”という物珍しさに惹かれて観た身としては、もう少しインドネシアらしさというか独自要素が欲しいのが本音である。もっともイスラム教色が強くなりすぎると、非信者には意味不明なったり、宗教関係者からもクレームがついたりと難しいのだろう。

本作は1980年にインドネシアで製作された同タイトルの映画のリメイクなのだとか。リメイク元の邦題は『夜霧のジョギジョギモンスター』。ジョギジョギ!?ジョギジョギモンスター!?何それ、めっちゃ気になる。きっとそちらはぶっ飛んだ内容なのだろう。そこからよくもここまで真っ当なホラー映画に仕上げたものである。

インドネシアの家庭では朝からミーゴレンを食べていて美味しそうだった。三十郎氏はエスニック料理が好きである。

悪魔の奴隷 (字幕版)

悪魔の奴隷 (字幕版)