オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『逆殺館』

From a House on Willow Street, 90min

監督:アラステア・オア 出演:シャーニ・ヴィンソンカーリン・バーチェル

★★

概要

誘拐してきた女が悪魔に憑依されてた話。

短評

首尾よく誘拐に成功したかと思えば人質の女は悪魔に憑依されていて、「私を解放しないと皆死ぬわよ」と忠告されるというそのままコメディにすると面白くなりそうな設定の映画。最初はスリラー、途中からは悪魔憑きもののホラー、最終的にはモンスター・パニックになり、おまけに幽霊まで出てくるという盛り沢山な展開である。発想の意外性にストーリーがついて来られなかったものの、悪魔関係の特殊メイクはよくできている。

あらすじ

主人公グループは4人、誘拐の計画を練っている。準備期間は6週間。6週間も使って何をするのかと思えば、6週後に時間が飛んで計画遂行。標的の娘を廃工場へと連れ帰る。ここまでは順調。かと思いきや、娘の様子はおかしいし、娘の親にも電話が通じない。

感想

誘拐の準備に6週間も掛けるというのは長過ぎるように思うのだが、誘拐界隈では普通なのだろうか。大掛かりな仕掛けを準備する泥棒計画でもあるまいし。一体何を準備していたのだろう。まさか直接見張ればいいだけなのにアジトに仕掛けた監視カメラの準備にそんな時間を要したわけでもあるまい。誘拐の準備と聞いて三十郎氏が思い付くのは、標的の動向をよくよく探っておくことである(あとは身代金受け渡し方法だが、本作ではそこまでたどり着かない)。6週間もあったのなら、娘の異常に気付くことが出来ただろうに。この数字に意味はないのだろうが、なんだか引っ掛かってしまい、話に乗れない一因となった。

悪魔に憑依された娘は、マグニートーの如く金属を飛ばして攻撃したり、ネオの如く銃弾を止めてみせる。これは凄いが、空中に浮き上がって“どやぁ”としているのは、悪魔っぽさを演出しているだけで実質的には無意味である。他に浮き上がる男が普通に撃ち落とされていることからも、銃社会においては、自由に飛べないのなら浮いても有利にならない。むしろ射殺することへの抵抗感を薄めてしまうだろう。なお、飛んできたものは止められるが普通に殴られると打たれ弱いらしい。そもそも金属を操れるのなら、拘束具を自分で外せばよかったのに。

廃工場の雰囲気や、血まみれデブ、長過ぎる舌を使った濃厚ディープキスなど面白いところもあるのだが、いかんせんストーリーが雑である。映像面はよくできているだけにもったいない一作。

本作は南アフリカ映画である。劇中で神父が「ここはバチカンから最も遠い」というような台詞を口走っていたが、バチカンの裏側(対蹠地)は、ニュージーランドの辺りである。

逆殺館 [DVD]

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