オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『エイリアン3』

Alien³, 104min

監督:デヴィッド・フィンチャー 出演:シガニー・ウィーバーランス・ヘンリクセン

★★★

概要

リプリーが不時着した星でエイリアンと戦う話。

短評

本作に登場するエイリアンは一体だけなので、初心に立ち返ってホラー寄りである。しかしながら、終盤ではエイリアンと対決するアクション映画的な展開になるし、前作ではバッタバッタとエイリアンを倒しまくっていたので一体くらいなら何とかなるだろうという楽観的になってしまう。廃墟的な囚人惑星フューリーや要所に挿入されるスローモーションの映像面での格好良さは流石デヴィッド・フィンチャーだと感じるが、ストーリーの方はバランスを欠いた印象。

感想

最初の犠牲者が一人になったところを狙われている辺りはホラーの定石を踏んでいる。彼がファンに巻き込まれて豪快に血が吹き飛ぶ辺りはスプラッター映画のノリだろうか。最終的には皆で力を合わせてエイリアンに立ち向かうアクション映画で、とくかく色んな要素を詰め込み過ぎた印象がある。脚本が何度も書き換えられたり、フィンチャーシガニー・ウィーバーの対立があったりと混乱した製作事情を反映していると言ってもよいのだろうか。

それでも本作を嫌いになれないのは、やはり本作が長編映画デビュー作となるフィンチャーの作り上げる映像が格好いいからである。地図を見るだけのシーンにシルエットを利用してみたり、エイリアンのPOVを使ってみたり、ただロウソクが消えるだけのシーンに至るまでいちいち格好いいのである。また、寒々しい色彩だった前作までと打って変わって、溶鉱炉を活かしたオレンジの強い色彩が特徴である。彼が本作に懲りて映画製作を諦め、ミュージックビデオ業界に戻らなかったことを三十郎氏は深く感謝している。

フェイスハガーの寄生先によって産まれるエイリアンの特性に違いが出るという設定は面白い。エイリアンが一体しかいないので簡単に倒せないように銃器のなしで戦わざるを得ないという舞台設定はよいと思うが、せっかくエイリアンの生態が変化するのなら、その特性によって銃以外の対処を強いられる展開にしてもよかったのではないかと思う。四足歩行や捕食といった特性が描かれてはいるが、物語の展開には寄与していなかったように思う。

リプリーたちが乗ってきた脱出艇に向かって犬が吠えているシーンはとてもホラー映画的でよい。犬は賢いので、それだけで十分にエイリアンの存在を感じさせてくれる。それなのに、その直後にフェイスハガーを映してしまったのは完全に蛇足である。あれがなければ、その後の犬の顔についた傷や、もだえ苦しむ様子で「ヤバい、ヤバい……絶対エイリアンだ……」とエイリアンを映さずして怯えさせることができたのに。犬から産まれた直後のエイリアンが大き過ぎると思うのだが、完全版では犬から牛に変更された理由はその辺りにもあるのだろうか。

フューリーに収監されている囚人たちは皆YY染色体の持ち主だという。未来の世界では男どうしでの繁殖が可能になっているのだろうか。

ところで、「³」ってどうやって変換したら出てくるの?

エイリアン3(字幕版)

エイリアン3(字幕版)