オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ダイ・ハード4.0』

Live Free or Die Hard(Die Hard 4.0), 128min

監督:レン・ワイズマン 出演:ブルース・ウィリスジャスティン・ロング

★★★

概要

ジョン・マクレーンがサイバー犯罪に立ち向かう話。

短評

頭を剃り上げて凄みを増したマクレーン。不運な男が事件に巻き込まれて悪戦苦闘する往年の姿はもう見られない。もはや無敵の男といった趣である。何度も大きな事件に立ち向かい、12年の時が流れているのだから当然と言えば当然か。娘のルーシー(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)も大きくなっている。

感想

顔つきに迫力が増したマクレーン同様にアクションの方もパワーアップしている。90年代から2000年代の間に映画界でカメラワークや編集技術に大きな変化があったことが窺える。それは現代の観客にとって“見やすさ”を向上させるものであり、特にカーチェイスの見せ方には前作との違いを感じた。

身体を張ったスタントについては(CGの出来は良いが現実には危険過ぎるという意味で)「これはCG使ってるな」と感じる部分もあるのだが、『ミッション:インポッシブル』のように「実は生身のスタントでした」というところもあったりするのだろうか。地下道を舞う車はCGなのか実車の合成なのか。CGと現実の境目が分からないくらいによく出来ているし、ブルース・ウィリスも渾身の演技を見せてくれるので、ここは概ね満足である。

アクションの部分はとても楽しめたのだが、ストーリーは好みに合わなかった。本作の敵はサイバーテロリストである。アナログおじさんのマクレーンには不向きな相手である。そこでハッカーのファレル(ジャスティン・ロング)が相棒として活躍することになる。この相棒の登場により、敵に立ち向かうときの“知恵を絞る”部分と“身体を張る”部分が分業制になってしまったような感じがする。“孤軍奮闘する”マクレーンが好きだった三十郎氏としては「これでは脳筋おじさんではないか」と寂しくなるのである。

交通、金融、エネルギーの順に公共機関を機能不全に陥れるという“Fire Sale(投げ売り)”は、現実に起こりうるサイバー犯罪としての恐ろしさはあるが、何でもコンピューターで処理してしまうのは、映画的には地味だしロマンが足りないとアナログ三十郎おじさんは不満に思う。第二の助っ人がこれまたハッカーというのもつまらない。

とは言え、このシリーズの主役は何であったか。爆発である。火薬こそが主役である。PCの爆発にはじまり、ヘリコプター、車、工場、戦闘機と、物語の全ては爆発へと収束する導火線である。特大の爆発シーンを見ると「細かいこと気にするなんてバカだったな」と自省させられる。

「英雄とは何か?」マクレーンの答えは「撃たれるだけ。妻に離婚され、子どもに疎まれても、他にやる奴がいないからやってる」である。ヒーローは大変なのだ。

ダイ・ハード4.0 (字幕版)

ダイ・ハード4.0 (字幕版)