オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ディープブルー・ライジング』

Ice Sharks, 89min

監督:エミール・エドウィン・スミス 出演:エドワード・デルイター、ジェナ・パーカー

★★

概要

北極の調査基地がサメに襲われる話。

短評

ディープ・ブルー』には『ディープ・ブルー2』という続編があるので、本作は紛れもないタイトル詐欺である。「ライジング」とあるが前日譚でもない。海上の施設がサメに襲われて水没するところを見た担当者が「これはもう半分『ディープ・ブルー』ってことでいいだろ」と適当に決めたに違いない。しかし、タイトルをよく見ていただきたい。『ディープ・ブルー』と『ディープブルー』で“・”の有無に違いがある。ちゃんと「続編ではありませんよ」と親切に主張しているではないか。ちなみに『ディープ・ライジング』というサメ映画もある。

感想

北極にはサメがいる。これは映画の設定ではない現実の話である。ニシオンデンザメという時速1kmで泳ぐ「世界一のろい魚」がいるそうである。しかし、そんなのろまな魚ではサメ映画にならない。本作は、本来の生息域外で進化したニシオンデンザメという設定になっている。賢明な判断だと思う。流氷の端っこで人を襲うだけでは流石に間が持たない。

北極サメが背ビレで分厚い氷を切って調査基地を沈めてしまい、そこからどうやって基地を浮上させるかというのが大まかな流れである。沈むことを想定していたかのように部屋を密封できたり、背ビレで氷を切断することに驚く必要はない。基地の下にある氷は切断するには分厚いし、基地を建てるには薄い。そして、シーンによって厚さが一定しない。

サメ映画的なバカらしさは背ビレによる切断くらい。あとは淡々としている。というよりもサメがあまり襲ってこない。サメたちは沈んだ基地の周囲をウロウロと泳いでいるだけで、積極的に攻撃を仕掛けてこない。チャンスがあればガブリと仕留めるが、あまり無駄な行動はしない印象だった。つまり、出番が少ない。

サメが無駄な行動をしてくれないので、代わりに調査隊のメンバーたちが無駄に奮闘する。彼らがサメと格闘しないで頑張る姿なんて見ても面白くとも何ともない。頑張る割にはサメと同じく淡々としていて盛り上がらない。サメ映画だぞ。サメも活躍しないし、荒唐無稽な阿呆展開もないなんてどうかしている。

ディープ・ブルー』から20年ほど経って制作された映画だが、CGの質は本家よりも遥かに劣る。