オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』

Indiana Jones and the Last Crusade, 126min

監督:スティーヴン・スピルバーグ 出演:ハリソン・フォードショーン・コネリー

★★★★

概要

ジョーンズ親子が聖杯を探す話。

短評

これまでの三作品の中では最もアクション映画の色彩が強い一作。バイクにカーチェイスドッグファイトに戦車と何でもありである。聖櫃を探す冒険譚の一作目、巻き込まれ型の二作目に続く本作。ナチスと争いつつ聖杯を探す展開は一作目に近いが、そこに親子の物語が加わっている。シリーズが進むと新しい要素を入れようとして「そうじゃないんだよ」という明後日の方向へ進むことが多いが、インディ・ジョーンズ・シリーズは軸がブレずに一作ごとに新たな魅力を提示してくれたように思う。

感想

若き日のインディをリヴァー・フェニックスが演じた冒頭のシークエンス。彼がヘビ嫌いになった理由や、お馴染みのムチや帽子との出会いがきれいにまとめられている。インディは若い頃から我々の知っているインディ・ジョーンズなのだということが分かって面白い。冒険心溢れるクールな正義感。可愛いお爺ちゃんになったパパ・ジョーンズにとっては初めての危険な冒険のようだったが、インディは少年時代から変わらない。インディの過去が明かされるのは最初だけかと思ったら、最後に意外な真実が明かされるのも楽しい。きっと素晴らしい犬だったに違いない。

エジプトとインドという長大な歴史を誇るロケーションを二つ消化済みのため、今回は場所よりも“モノ”が主役だった印象である。しかしながら、(過去にも書いた気がするが)三十郎氏はヴェネツィアが大好きなので、ヴェネツィアが出てくるだけ喜ぶ。単純な男である。ヨルダンのペトラ遺跡も、ここになら聖杯がありそうだという雰囲気がありありと伝わってくる。行ってみたいなあ。

本作には虫だけでなくネズミも出てくる。ネズミの大群は飼育されているものなのだろうか。ネズミと言えば病原菌の塊である。見た目は意外と可愛いけれど、ヨーロッパで黒死病を流行させた悪魔の如き動物である。問題ないように飼育されているに違いないのだろうけれど、それでもキャストは心理的な抵抗が拭えなかったりするのだろう。三十郎氏だって「製薬会社が無菌室で繁殖させたゴキブリです」と言われたって嫌なものは嫌だ。

数あるアクションシーンの中では、バイクでのチェイスシーンがお気に入りである。サイドカーにちょこんと腰掛けているパパ・ジョーンズが可愛らしいではないか。ショーン・コネリーだって若い頃はインディもびっくりするような八面六臂の活躍を見せていたのに。追走してくるバイクの車輪に棒を突っ込んで吹っ飛ばすところも好きである。

そして、何と言っても三つ目の試練だろう。なかったはずの道が浮き上がるところは何度見ても興奮する。

前二作のヒロインはインディに巻き込まれて迷惑を被っているタイプだったが、本作のヒロイン・シュナイダー博士(アリソン・ドゥーディ)は聖杯のためにナチスに魂を売った悪女である。父と息子の両方と交わるというのはどんな気分なのだろう。父が交わった女と交わるというのはどんな気分なのだろう。なんだか旧家のどろどろした物語みたいである。彼女のオーストリア式のお別れは是非とも味わってみたい。