オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ロスト・ボディ』

El cuerpo(The Body), 111min

監督:オリオル・パウロ 出演:ホセ・コロナド、ベレン・ルエダ

★★★★

概要

殺したはずの妻の死体が消える話。

短評

最後の怒涛の伏線回収劇が見事というか怖いというか凄まじいミステリー映画である。「は?それならあれはどうなるの?」と思ったことに対して「こうだよ!」と次々に畳み掛けてくる。とにかく圧巻である。

あらすじ

遺体安置所から女性の死体が消えた。いやいや、まさか。そのまさかである。警察も慌てる。女性の夫も慌てる。何と言っても消えた死体の女性を殺したのは浮気中の夫なのだから。「確実に殺したはずなのに。死んでなかったの……?あの女ならありうる。ヤバい」。さあ、消えた遺体の真相は?そんなお話である。

感想

死んだ人間が蘇る。そんなオカルト的な話をミスリードとして使用するのはよいが、本当の結末にしてしまうのは却下である。三十郎氏は理性の人なのである。ところが、「これは蘇り説もありうるぞ」という具合に上手く誘導されてしまう。死んだ女性マイカはそれぐらい怖い女なのである。夫が社長を務める会社の所有者であり絶対的な支配者。こわーい、そしていやーな女である。『ゴーン・ガール』的な展開もありうると思っちゃうのである。夫のアレックスが女子大生に走って彼女を殺したくなる気持ちも理解できるが、その裏に隠された事実には驚愕するばかり。

死体は本当に蘇ったのか?死体が盗まれたのなら、犯人と目的は何なのか?夫アレックスに届けられるメッセージは一体どういうことなのか?謎解きがメインなのでミステリーということになるが、警察とアレックスの思惑が錯綜し、そこに消えた死体や第三の存在まで加わるサスペンスフルな展開である。

しかしまあ復讐とは言えよくもここまでできるものだと感心する。感心するというよりも恐怖する。仇と交わるなんて吐き気がするだろうに。ただ、それよりも凄いのは部屋の片付けの早さだと思う。

イカを演じるベレン・ルエダは『ロスト・アイズ』でフリアを演じていた『ロスト・〇〇』女優である。パッケージ写真には若々しく写っているが、映画の中ではもっと皺が多い。いわゆるパネマジというやつである。男性諸氏は注意されたし。

ロスト・ボディ(字幕版)

ロスト・ボディ(字幕版)