オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『LUCY ルーシー』

Lucy, 89min

監督:リュック・ベッソン 出演:スカーレット・ヨハンソンモーガン・フリーマン

★★★

概念

お薬パワーで人間の脳をフル稼働させる話。

短評

人間は自分の脳の10%しか使用していないと言われる(諸説あり)。20%、30%と出力を上げていき、100%に達するとどうなるのか。自分の肉体を自由にコントロールできる、頭がめちゃくちゃ良くなる、他人の肉体を操れる、物質も支配できる。この辺りまでは楽しいSFアクションだが、50%に達した辺りで肉体が粒子化をはじめたりして、その先は意味不明になる。三十郎氏の脳の出力が低いせいでついていけなかったのかもしれない。

あらすじ

アメリカ人女性のルーシー(スカーレット・ヨハンソン)が台北で韓国マフィアに腹の中にお薬の袋を入れられる(随分雑多な設定である)。腹を蹴られて袋が破れてしまい、ルーシーは暴走的進化を遂げるのである。

感想

ルーシーの進化には意味不明なところと意味が分かり過ぎるところがある。CPUよりも遥かに高性能の脳を手に入れたはずなのにラップトップを超高速操作したり、カースタントを披露したりと、常人の考える範囲内での“できたら超すごい事”を見せつけるのがなんだかおかしい。獲得したはずの能力と実際の行動が合致しない点が多々あるのだが、これは映画的な見せ場を作るためのご愛嬌というところだろう。

彼女を取り囲んだ警察を一瞬で眠らせたり、取り囲んだマフィアを天井にくっつけたりする他人の肉体操作系の描写は面白かった。ただ、警察の件とマフィアの件の順番を逆にしないと、一人ずつ片付けなくても全員まとめて一掃できるのにと少し不満に感じてしまう。

進化が進むと、時空の果てに飛んでいって地球の歴史を巡るという意味不明な展開で観客を置き去りにする。観客は脳の10%しか使えないので、ついていけなくて当然である。というのは置いておくとして、脳をフル稼働させるとどうなるかというSF的に興味深いテーマを描き切るには短尺であり、そもそもそんな難しいことは考えずに面白い映像を作る道具にしたいだけなのである。本作から人類の深淵へ迫ろうとするのは、ルーシーの身体がヴェノム化する理由を求めるのと同じくらいナンセンスである。監督はリュック・ベッソンだぞ、察しろ。

時空の果てへの旅に出てくる精子爆撃で笑った。脳の使用量が上がって腹が減るのか人を殺した直後にご飯を食べるシーンも笑えた。こういう脳みそあるあるネタはもっと入れてもよかったのではないかと思う。

黒いブラジャー姿のスカーレット・ヨハンソンがセクシーなのだが、その上に白いTシャツを着た“黒ブラ+白T”姿の方がグッと来る。荒唐無稽な話であっても、彼女の魅力(≒おっぱい)でもっている。

LUCY/ルーシー (字幕版)

LUCY/ルーシー (字幕版)