オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『オーシャンズ11』

Ocean's Eleven, 116min

監督:スティーヴン・ソダーバーグ 出演:ジョージ・クルーニーブラッド・ピット

★★★★

概要

ベラージオの金庫を破る話。

短評

リブート版を観るとオリジナル版を観たくなる。これは自然の摂理である。オリジナル版と言っても本作は準本家の扱いである。本家本元の『オーシャンと11人の仲間』はプライム会員特典に入っていないので本作ほど気軽に観られない。面白かったことは覚えているのでまた観たいとは思っている。

オーシャンズ8』も悪くはなかったが、やはり三十郎氏はこちらの方が好きである。単純に三十郎氏が男だという理由で、男が主人公の物語の方が入り込みやすいということもあるのだろう。しかし、理由を話の構造の違いに求めるならば、ミッションの不可能性の強調にあると思う。

感想

本作ではルーベンが“最も成功に近かったカジノ強盗ベスト3”を紹介し、それらが成功とは程遠いことからも、いかに困難なミッションに挑んでいるのかがよく分かる。だからこそ胸躍るのである。対する『オーシャンズ8』は、基本的に「私が考え抜いた完璧な計画に従えば大丈夫」という形式で、その不可能性が小さくまとまってしまっている。

予算の都合もあるのだろうが、やはり計画の規模も本作に分がある。ラスベガス一帯を停電させるというアイディアの大胆さよ。金庫を丸々コピーしたセットを造ってしまうのも凄い。一から十までスマートにやり切ってしまうよりも、ちょっとバカげているくらいの発想がある方がワクワクする。また、それが必要となる計画のスケール感を強調できる。

もう一つ違いを挙げたい。これは優劣でなく、違いが面白いと感じるのだが、「相手のためにここまでやる」という言葉の意味が男女でこれほどまでに異なるというのは笑える。ダニーにもデビーにも泥棒以外に裏ミッションがあり(恐らくはそちらが真の目的である)。ダニーが元妻を取り戻そうとするのに対し、デビーは元カレへの復讐である。男ってやつは感傷的でロマンチストなのだな。女は怖いな。

三十郎氏が大好きなのは、最後に(ダニーを除く)皆で並んで噴水を眺めるシーン。誰が何を語るわけでもなく、大仕事を終えた達成感を噛み締め、分かち合う。これだ。『オーシャンズ8』に足りなかったのはこれである。部屋に集まって「私たち、すごい仕事したわよね」と自画自賛しているようでは余韻が感じられない。

抜群に格好いいサウンドトラックを担当しているのはデヴィッド・ホルムズ。ソダーバーグ作品の常連である。手掛けた作品の大半がソダーバーグ映画なので。常連というよりも専属感がある。

オーシャンズ11 (字幕版)