オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『リターン・トゥ・マイ・ラヴ』

Lonesome Jim, 91min

監督:スティーヴ・ブシェミ 出演:ケイシー・アフレックリヴ・タイラー

★★★

概要

ニューヨークで夢破れた男が故郷に帰る話。

短評

ニューヨークで作家になる夢が叶わず故郷に逃げ帰ってきた男。作家志望という肩書が、繊細さや教養、思慮深さを与えてくれるように思うかもしれないが、要は単なる無職である。ダメ男である。慢性的絶望なんて言葉は大物作家になってから言え。そんなジムを演じるケイシー・アフレックの無気力ダメ男ぶりが見事にハマっている一作。

感想

ダメ男はジムだけではない。彼の兄ティムもまたダメ男で、弟に「俺が兄さんなら生きてられないね」と言われて自殺未遂する男である。そんな彼らを健気に愛するのが母サリーである。無職の息子が戻ってきてくれただけで喜んでくれる。偉大なる母の愛よ。ダメ息子はそれを厚かましく感じていたりするのだが、最終的に帰る場所がある幸せに気付く展開は良かった。

ダメ男の割にはバーであっさり女性をつかまえるジム。お相手は看護師のアニカ(リヴ・タイラー)。シングルマザーである。彼女やその息子、そして母の存在がジムを少し変える。大きな変化が訪れるドラマチックな展開ではないが、ちょっとしんみり、ちょっと心温まる話である。ところで、息子のベンは母とジムがしていたことを理解しているよね?

母から小遣いをもらったジムが、母のバッグからおかわりするクズエピソードが可笑しかった。優しすぎるお母さんが気の毒である。でもね、入浴中の息子がいるバスルームに入ってきて話をしようとするのはいかがなものかと思いますよ。こういうシーンのおかげでダメ男を軽蔑するだけでなく、ジムに共感できると言うかしっくり来るのである。

ジムがバスケットボールのロングシュートを決めるシーンがあるが、何テイク要したのだろう。ボールが一度画面外に出るので特撮か。

マグカップに小便をすると汚れが落ちないらしいのでやめておくこと。また、小便を出したり止めたりを繰り返すとアレの持ちが良くなるらしい。真偽は定かではない。

スティーヴ・ブシェミの監督作である。他にも何作品か監督しているらしい。