オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『シン・ジョーズ』

Atomic Shark(Saltwater), 84min

監督:A・B・ジョーンズ 出演:ラケーレ・ブルック・スミス、ジェフ・フェイヒー

★★

概要

放射能で進化したサメが爆発する話。

短評

サメの設定が確かに『シン・ゴジラ』的なので、そこまで酷いタイトル詐欺ではないというのが最大の驚愕ポイント。本作のサメは熱を持っており、水から出ている箇所は赤く燃え盛り黒煙を上げている。陸上での活動には耐えられず、自らの熱で臨界を起こすというなんとも『シン・ゴジラ』的なお話である。

感想

放射能の影響でゴジラ的進化を遂げたサメを、勇ましい女ライフセーバーが退治する。サメ映画らしいシンプルな筋書きである。テレビ映画らしく迫力には欠けるが、熱を持ったサメの描写は新鮮だし、主人公ジーナ(ラケーレ・ブルック・スミス)の引き締まった水着姿も(『ベイウォッチ』のダダリオ様ほどではないが)眩しい。笑えるネタも多いし、邦題から予想されるほど酷い出来ではない。

本作のサメは超高温なので襲われた人は燃える。船も燃える。サメの発する放射能の影響で死んだ魚を食べた人も燃える。最後の燃えるは何を言っているのか分からない人もいるだろうが、とにかく燃えるのである。食べた人だけじゃなくて調理済みの魚もいきなり燃え出す。燃えるどころか爆発する。放射能って怖いなあ。

コメディとしては割と優秀である。グルメ番組の撮影時には、サクラの客に対して「楽しそうに食事して。ただし、声は出さずにパントマイムで」と指示が飛ぶ。料理の説明する店主に対して、出演者が「俺が食べて当てたことにするから言うな」と止めるのもテレビの裏側を見ているようで笑える。終盤の迫真の場面では、劇的なBGMがいきなり止まってライターを吹き消したり、キスしようとする男に「何やってんの」と突っ込むのが「安心してください。バカな映画ですよ」と主張しているようで面白い。

ライフセーバーがドローンを使って浮き輪を届けるのが現代的だった。これは確かに人が泳いで助けに行くよりも早い。ライフセーバー業界も、褐色のムキムキマッチョマンだけでなく青白く筋肉無用のeスポーツプレイヤーたちの活躍の場となるかもしれない。

今度こそ本当にサメ映画マラソンは終了である。このジャンルを連続して観続けるのは本作で最後だが、新たに配信されている作品を見つければ思わず観てしまうだろう。ドラッグと同じ、一度ハマったら最後である。さようならサメ映画、また会う日まで。

シン・ジョーズ(字幕版)

シン・ジョーズ(字幕版)