オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『パーフェクト・リベンジ』

Matar el tiempo(Killing Time), 116min

監督:アントニオ・エルナンデス 出演:エステル・メンデス、ベン・テンプル

★★★

概要

娼婦を買っただけなのに。

短評

何なのだ!このタイトルは!助平親父がエッチなお姉さんに返り討ちに遭う話かと思ったら全然違う。あらすじも読まないで邪な期待を胸に映画を観る三十郎氏に非があることは重々承知している。しかし、このタイトルとパッケージ写真であれば、お姉さんが何か企んでいるものと考えない人がいるだろうか。原題は暇つぶしの意味で、出張中の暇つぶしとしてエロチャットに手を出したオッサンがトラブルに巻き込まれる話である。

あらすじ

主人公のロバートは確かに助平親父である。エロチャットの相手サラ(Esther Méndez)に「何をしてほしい?」と問われ「ホテルに来てほしい」と要求する積極果敢な助平親父である。サラが「あなたが来て」と言うので、ロバートは警戒もせず彼女の部屋へ向かう。これは何やらトラブルの臭いがする。ネットで知り合った娼婦の部屋に直接乗り込むとは勇気がある。しかし、ここでトラブルは起きない。ロバートは目的を果たして大満足。ロバートとサラの関係には問題がない。あれ、リベンジ要素は?

トラブルはロバートとサラの間には起きない。ホテルに戻り、家庭の問題に対処して溜まった鬱憤を晴らすべく、ロバートはグヘヘと再びサラに連絡をとる。サラとビデオ通話していると、サラの部屋に男が入ってきて……というお話。

感想

ロバートは助平親父だが、サラを救う良い奴なのである。助平であることと良い奴であることは矛盾しない。むしろ助平であるが故に男は女を救おうとする。三十郎氏も良い奴かもしれない。頼りにはしないでほしい。

ロバートが解決に乗り出す終盤の展開は、そこそこ緊張感があって面白い。しかし、それまでが長い。サラの部屋での出来事をパソコンの画面で眺めながら「どうしよう……」と悩んでいるだけの時間があまりに冗長である。90分にまとめられる、いや、まとめるべき内容のサスペンス映画を2時間にしてしまった。それが本作の最大の失敗である。

ロバートがサラが監禁されている部屋へ乗り込むときに、客を装う演技が可笑しかった(装っているだけでなく実際に客なのだが)。監視役の男に「今日はだめだ」と断られても、「30分だけ!頼むよ」と懇願する。どんだけ溜まってんだよ……と男なら誰でも同情する。週末料金だと倍の値段を吹っかけられても喜んで支払う健気さは完璧な演技であった。その後も展開も行きあたりばったりだが、彼の演技力こそが事態を打開するのである。仕事一筋の冴えないオッサンなのにやるじゃないか。