オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『シャーク・ショック』

Trailer Park Shark(Shark Shock), 84min

監督:グリフ・ファースト 出演:タラ・リード、トーマス・イアン・ニコラス

★★

概要

サメが帯電する話。

短評

昨日は「もうこれで終わりにしよう……」と誓ったのに、気付けば今日もサメ映画を観ている。これが世に言う依存症というやつか。サメ映画依存症の健康被害は深刻である。普通の映画を観てもどこかにサメの姿を探すようになり、サメが出てこないと物足りなさを覚える。やがては日常生活の中でもサメの登場に期待しはじめる。水のあるところにサメの影がちらつく。WHOは早急に「サメ映画は週に一本までにしましょう」という指針を打ち出すべきである。

あらすじ

賃料を払わないゴロツキどもを一掃すべく、土地のオーナーが堤防を決壊させてトレーラーハウスを水没させる。人のいる場所が水没すれば、そこには当然サメが流れ込んでくる。電気の通ったケーブルを噛ませてサメを撃退しようとすると、逆に電気タイプのサメへと進化するのであった。もうサメに何が起きても驚かないぞ。

感想

時間軸の入れ替えや長回しとサメ映画らしからぬオシャレ要素をふんだんに盛り込んだ序盤。雨が川面を打つスローモーションの映像もオシャレである。これらの凝った演出に「これはいつもと違う。期待できる」と思うも、違うのはそこまで。残りは、ターミネーター風のBGMに乗って現れたサメがピョンと飛んでパクっと食べるいつもサメ映画の映像である。

堤防の決壊により流れ込んできた水は茶色い。ワニが出てきそうな水質とサメの組み合わせは意外にも新鮮だった。しかし、濁った水でサメの姿見えにくいことによる恐怖は微塵もないし、水着姿の美女が出てこないという弱点もある。

水没したトレーラーハウスの上で救助を待つという舞台の限定や、サメの見えづらさは『パニック・マーケット』に通じる良シチュエーションだが、バカ映画路線とは相性が悪い。トレーラーハウスの住民と土地のオーナーの対決とサメのどちらがメインなのか分からないストーリーは冗長である。

シャークネード』のエイプリル役タラ・リードが出演している。流されてきた廃品を回収して販売しているのが彼女の役どころ。「サメ?竜巻に乗ってやって来たの?」と言わせてみたり、チェーンソーを持たされたりしている。物語とは何の関係もないので、『シャークネード』ファン向けのサービス出演だろう。

ダクトテープは万能である。手にクルクルと巻き付ければパドルの代わりに使える。主人公曰く“Good Old Redneck Engineering”だが、火星に行くエリートだってダクトテープのおかげで窮地を脱している。

人が感電して痙攣する演技で間抜けでないものを見たことがないのだが、真剣なシーンで観客を笑わせずに痙攣させられる俳優はいるのだろうか。感電して痙攣する真剣なシーンというものが、そもそも存在するのだろうか。