オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『フェーズ6』

Carriers, 84min

監督:アレックス・パストール、ダビ・パストール 出演:クリス・パインエミリー・ヴァンキャンプ

★★

概要

致死率100%のウイルスが蔓延した世界の話。

短評

終末世界のロードムービー。ウイルスについて「空気感染するから感染者には近づくな」「感染者が24時間以内に触れたものは消毒しろ」「感染したら死んだようなものなので助けるな」という三つのルールが説明されるものの、具体的なことはよく分からない。感染拡大の様子は描かれないので、パンデミックものという雰囲気ではない。

あらすじ

ブライアン(クリス・パイン)とダニ―の兄弟、ブライアンの恋人ボビー、ダニ―の友人ケイト(エミリー・ヴァンキャンプ)の四人旅である。感染者に出会ったり、見捨てたり、感染したり、殺したり。一通り経験して、生存者が目的地に辿り着く。

感想

ウイルスについてのルールが分かりづらい。というよりも設定そのものが曖昧である。空気感染するとのことだが、登場人物たちはマスクをしているだけで、感染者の近くで呼吸をしている(マスクをしていないシーンもある)。ルールが不明確なため、登場人物の行動に危機感が感じられないし、劇中で下される決断が短絡的なものなのかよく考えられたものなのかも分からない。

ブライアンは感染者を容赦なく切り捨てる。感染した少女を抱える父親、そして感染の発覚した恋人を置き去りにしていく。これらは第三のルールに基づいての行動なのだろうが、適切な隔離で感染拡大を防げるのか、それとも問答無用で見捨てるべきなのか観客には分からない。ブライアンの心情も掴めない。もっとも感染を隠し仲間にリスクを負わせて車に居座ろうとしたボビーも大概である。

映画の雰囲気は良い。劇中でも解決していないウイルスの問題がよく分からないのも構わない。しかし、そこに謎を残してしまってことで、人物の心理面にも謎が残る結果となったのは残念である。

最終的にブライアンも感染してしまうのは、因果が巡ってきたので仕方がないと感じる。しかし、彼の積極的な決断や行動による利益を享受しながら、自分では何もしない者たちが生き残るという展開にはモヤモヤさせられる。この世界は減点法で人の生死が決まるのだろうか。

「感染していないか調べるから(女たちは)服を脱げ」というシーンは、B級映画的なお色気要素かと思ったら、ちゃんと感染が判明して笑った。

フェーズ6 (字幕版)

フェーズ6 (字幕版)