オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『パーフェクト・プラン 完全なる犯罪計画』

Thin Ice(The Convincer), 92min

監督:ジル・スプレカー 出演:グレッグ・キニアアラン・アーキン

★★★

概要

ケチな犯罪を企んだら重犯罪に巻き込まれる話。

短評

不穏でシリアスなパッケージ写真の印象とは対称的にブラックでコミカルな犯罪映画。とても気持ちよく騙されることができた。

あらすじ

保険のセールスマンが、顧客の家で発見した高価なバイオリンを留守中に盗もうとしたら、隣人が現れてさあ大変というお話である。計画が狂ってからは雪崩式に全てが悪い方へ悪い方へと転がっていく。焦る主人公の心情を融ける氷柱で表現する演出が気に入った。

感想

全体としては結末の印象が強いが、中盤の展開もちゃんと面白い。こちらが本編になるわけで、つまらなければ折角の結末も「あっ、そう……」としかならない。悪いことをしようとしたら上手くいかなくて、自分ではコントロールできないレベルにまで転げ落ちていく。欲をかいて仇となるのはブラックコメディの定跡である。

伏線の張り方がちょうど良く、全てが説明されるときは快感である。印象に残っているシーンが伏線であったと明かされるので、ちゃんと「あー、これはそういうことだったのか!」と感心できる。それらの伏線は主人公の欲が原因となっているため、「悪いことはするもんじゃないなあ」と思うと同時に清々しくもある。

アラン・アーキンのボケ具合が絶妙。前科者を演じるビリー・クラダップの粗暴な田舎者感も絶妙である。これは騙されても仕方がない。主人公を演じるグレッグ・キニアのツイてない男感も絶妙である。

「すみません、時間を教えてもらえますか?」を会話の糸口にしようとする人には気をつけよう。